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2019.07.18

WING

JAL、エンブラエル機整備訓練でVR活用実証スタート

基本操作やシステムを短期習得で訓練深度をより深く

 日本航空(JAL)が、VRを使った整備訓練の実証実験をスタートした。JALは東芝テクノロジーズと共同でVR整備訓練ツールを開発することに成功。JALグループのジェイエアで運航しているエンブラエル機(ERJ170/190型)の一等航空整備士訓練の一部に、VR技術を活用することを目指す。現在はエンジン試運転時の操作に関するコンテンツのみとなっているが、実証効果をみて様々な不具合対応などといった訓練コンテンツを増やすことの検討を進めるほか、他機種へ拡大することも視野に入れている。
 去る7月17日に開発したVR訓練教材を報道陣に公開。JALエンジニアリング人材開発部の酒井敏行部長によれば、「訓練では座学などを行ったあとに、ノーマルのエンジンスタートやシステムオペレーションに関する訓練を行っており、その習得にかなりの時間を要している」とのこと。「VRを活用することで実際に体感することが可能になり、ベースとなる部分の習得時間を短縮することができる」との期待を示した。
 酒井部長は「シミュレーター訓練は10日間行っているが、およそ2日〜3日間ほど短縮することができるのでは」との見方を示すも、一方で「訓練の総時間は変わらない。訓練の深度を深める。今あるレベルよりも、更に高いレベルを目指して訓練を実施していきたい」と話し、訓練期間を短縮するというよりは、あくまで学習深度を高めて整備士訓練の高品質・高度化が狙いであることを強調した。
 機材高度化で故障に直面する機会減少
補助ツールとしてVR活用
効率・効果的な訓練実施