ウイングトラベル
秋以降のエアーズロック観光に新アイデア
登山に代わる新アクティビティが登場
今年の10月26日から登山禁止となるエアーズロックだが、登山に代わる新たなアクティビティも開発され、現地の観光局や民間事業者は引き続き日本からの観光客誘致を積極的に進めていく構えだ。
エアーズロック観光の新アクティビティは、今年で9年目を迎えた毎年恒例の「エアーズロック&ハミルトン島セミナー」で紹介された。同セミナーは札幌、大阪、名古屋、東京で開催され、全国の旅行会社の企画担当者にオーストラリアを代表する2つの観光スポットであるエアーズロックとハミルトン島の最新情報を届けた。
セミナー冒頭、ノーザンテリトリー政府観光局日本事務所・福田直美トレードマーケティングディレクターは、昨年ノーザンテリトリーを訪れた日本人旅行者が前年比60%増の3万6000人に達し、その90%がエアーズロックを観光している状況を説明。登山禁止前の駆け込み需要の反動が心配される秋以降に関しても「登山禁止となっても周辺観光はそのままで、ロックに触れることもできる。登山はあくまでアクティビティの一つで、エアーズロック観光の魅力に変わりはない」と強調した。
また、エアーズロック・リゾートのマーケット・デベロップメント・マネージャー(アジア担当)のジェーン・クリステンセン氏は、エアーズロックの麓の原野を5万個の照明で飾る「フィールド・オブ・ライツ」が当初予定を延長して21年3月末まで実施されることなどを説明すると同時に、昨年の日本人宿泊者数が75%も伸び、国別の宿泊客シェアも前年の8%から2%に拡大したことを明かした。
現地では、登山禁止後への対応の一環として3つの新しいツアーも開発された。AATキングスの曽我部貴史シニア・セールスマネージャーは11月1日から催行する新ツアーは、日本語ガイド付きで「フィールド・オブ・ライツ」を楽しむ「ウルルサンライズとフィールド・オブ・ライツ」。夜明け前に「フィールド・オブ・ライツ」を観賞し、そのままエアーズロックのサンライズも楽しむ内容で、すでに英語ガイドで実施している内容だが、新ツアーは日本語ガイド付きで、料金も英語ガイド付きツアーと同額としたと話した。
※写真1=ノーザンテリトリー政府観光局日本事務所・福田直美トレードマーケティングディレクター
※写真2=エアーズロック・リゾートジェーン・クリステンセンマーケット・デベロップメント・マネージャー(アジア担当)
※写真3=AATキングス曽我部貴史シニア・セールスマネージャー
ハミルトン島、幅広い顧客層から支持
エアーズロックに続いて最新情報を提供したハミルトン島は、ジョニー・デップやテイラー・スイフトとったセレブから、ファミリー客まで幅広い客層に支持されているリゾートアイランドだが、1泊15万円ほどの最高級ホテル「クオリア」から、1泊3〜4万円程度の「リーフ・ビュー・ホテル」まで各種宿泊施設が揃っている。また宿泊料金にシーズナリティがなく年間を通じて料金が変わらないのも特徴だ。
「オーストラリア人にとっては、子供時代に親と一緒に行き、ハネムーンで訪れ、次は自分が子供を連れて訪れるといった、ライフステージごとに訪れるようなデスティネーションで、日本人にとってのハワイに似た位置づけのリゾート。また日本人客に関してはハネムーナーが多いが、最近ではシニア層が増加しており、比率はハネムーナー75%、ファミリー13%、MICE9% 、シニア層7%。今年のゴールデンウィークは日本人客の多くをシニア層が占めていた」(ハミルトン島イースタンマーケット担当・林田第三郎セールスディレクター)とのことだった。
また、クイーンズランド州政府観光局の柴田正三日本地区マーケティング部長が、ハミルトン島以外の同州の観光的魅力について補足。グレートバリアリーフでは唯一、サンゴ礁でできた島に熱帯雨林が生育しているグリーン島やダイビングに適したレディー・エリオット島をはじめとするリーフアイランド体験、ゴールドコースト内陸部のゴンドワナ多雨林などの大自然体験、ゴールドコーストに5つあるテーマパークでの体験、アボリジニ文化を中心とする文化体験などの魅力を説明した。
※写真4=ハミルトン島イースタンマーケット担当・林田第三郎セールスディレクター
※写真5=クイーンズランド州政府観光局柴田正三日本地区マーケティング部長