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JAL第1Q、国内線好調で売上高4%増の3557億円
世界経済減速、海外発需要が想定下回る
日本航空(JAL)が7月31日に発表した2019年度第1四半期決算によると、営業収益は前年同期比4%増加した3557億円と増収を確保。営業費用は燃油増加や来年度計画されている首都圏発着枠拡大に向けた先行投資が膨らんだこともあって、5.5%増加した3346億円となった。一方で利益面においては、営業利益は15.6%減少した210億円、経常利益が7.9%減少した212億円、四半期純利益は32.1%減少した119億円と減益となった。ちなみにJALは今年度から償却年数方式を変更しており、償却方法変更前の数字では、営業費用が4.5%増加した3313億円、営業利益が2.1%減の244億円となる。
会見に臨んだJALの菊山英樹取締役(財務・経理本部長)は増収について、「主に国内旅客収入が好調だったため」と説明。一方で国際旅客事業については、「海外発の需要が想定よりもあまり強くなかった」と、世界経済減速の影響などもあってか、国際線旅客事業が伸び悩みをみせたことに言及した。
なお、国際線・国内線をあわせた期間中の座席供給量を示すASKは2%増加した229億1400万座席キロで、需要を示すRPKは2.9%増加した176億2900万人キロ。通期業績見通しについては、国際線旅客事業および国際貨物事業で世界経済の減速という不安要素はあるものの、国内線旅客事業などが好調に推移していることから、「引き続き増収を図りながらコストのコントロールについても従来通り取り組むことで、今期の業績見通しは十分に達成可能」と、予想を据え置いた。
国際線2.4%増収も需要・収入想定より伸びず
欧州線は海外勢攻勢で低イールド帯で苦戦
大幅供給減のハワイ線、「適正な供給規模に」
「そもそもハワイの総需要自体が楽観できず」
国内線旅客収入、5.7%増の1239億円
高い個人需要、若年層のコト消費拡大「肌で感じる」
国際貨物収入、6.1%減の227億円
世界の荷動き鈍化も傷の浅い事業運営
※写真=会見に臨むJALの菊山取締役。世界経済減速の影響が数字に現れるようになってきた様相だ