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2019.08.01

WING

JAXA、2026年までにエンジン搭載静粛超音速機飛行実証へ

全長十数メートル規模の自動離着陸無人機、来年度開発着手か

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、エンジンを搭載した全長十数メートル規模の静粛超音速機を飛ばして、その技術実証を2026年頃までに完了したいとの構想を有していることが分かった。JAXAによると、機体は無人機で自動離着陸することが可能なものとする計画で、低ソニックブーム、低離着陸騒音、高い燃費性能を同時に解決することができる設計技術をシステムレベルで実証することを目指す。これが実現すれば、世界初の試みになるという。文部科学省における今後の予算確保が鍵の一つとはなるが、JAXAとしては来年度にも事前評価を受けるなど開発に着手して、再来年度にはその開発を本格化することを目指したい考え。
 JAXAによると、「これまではNEXT-1、D-SENDといった先行プロジェクトがあった。要素技術を中心とした研究開発フェーズにあった」としており、「そこから一歩進んでシステムレベルで様々な要素が成立しているような技術実証のフェーズにすべきであろうという考え」にあることを明かした。
 その上で、低ソニックブーム、低離着陸騒音、低燃費を同時に満たす機体を、「低ソニックブームを中心としてシステムレベルで実証し、効果的に日本の技術をデモンストレーションすることができるだろう」としている。
 JAXAは実機開発における体制も念頭において民間企業と連携していくとしており、飛行実証機の構想は複数案を有してトレードオフを検討する。「今後日本の産業界の競争力強化の視点で内容をアップデートしていく必要がある」としており、「採り込む要素を増やすことや、あるいは削る」ことも視野に入れているとし、現状2016年から今年度までの4年間で進められてきた研究課題終了後に、移行すべき実証構想案を策定するとしている。

 

ICAOは早ければ2025年にブーム基準策定
米で進む研究開発、静粛超音速機も開発加速へ

 

JAXA、低ブーム・低離着陸騒音など要素技術達成
低速性能向上でクルーガーフラップ適用など

 

※画像=JAXAの静粛超音速旅客機の技術参照機体。50名乗りで巡航マッハ数1.6、航続距離は3500海里だ(提供:JAXA)

※写真=豪州ウーメラで実施した「NEXT-1」。低抵抗設計技術を獲得した(提供:JAXA)

※写真=スウェーデンのキルナで実施したD-SEND。この実証実験では低ソニックブーム設計技術などを獲得した。エンジンを搭載した静粛超音速実証機の開発は初めて(提供:JAXA)