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夏季繁忙期、大手国際・国内とも予約数増加
供給増のハワイ線、ANA予約56%増、JAL14.5%減
本邦航空各社は夏季繁忙期(8月9-18日:10日間)の予約状況を発表した。世界的に航空需要が高まり、訪日旅客が増加している中で、本邦航空会社の予約数は国際線・国内線ともにおおむね伸びていて、予約率も8割台の比較的高い水準を維持。堅調に推移して好調だといえる。国際線では、これまで訪日需要の拡大に合わせて海外からの旅客が好調に推移してきたが、さらに国内発の日本人旅行者も堅調で、国際線旅行者の数を伸ばしている。国内線については、日本人の需要が伸びていることはもちろん、海外からの国際線乗継旅客も年を追うごとに増加。いわゆるゴールデンルート以外の観光地を巡るリピーターの訪日旅客による国内線需要の増加も注目されるところとなっている。
全日空(ANA)、日本航空(JAL)の大手2社の予約状況を見ると、国際線では予約数を伸ばしつつも、供給がわずかに上回ったことで、いずれも予約率が前年同期比減。ANAでは1.5ポイント低下の82.1%。JALは1ポイント低下の88.8%だ。ただ、前年を下回ったとはいえ、8割台の高い予約率を維持していて順調な様相だ。
大手国際線の中でも注目されるのがハワイ線。ANAでは今年5月から、大型旅客機A380による「FLYING HONU」を投入して、ハワイ線の供給を大幅に増やした。そのためANAハワイ線の提供座席数が56%増の2万3020席と1.5倍でありながら、予約数が55.6%増の2万1412人と需要が追い付き、予約率が93%と、好調に推移した。一方JALのハワイ線は座席数が11.4%減の3万1070席と、供給を1割強減らした。そのため予約率が14.5%減の2万8232席と、同程度予約も減少するかたちとなったが、予約率は90.9%と、9割台の比較的高い水準を維持した。
また、ANA国際線で唯一、中国線が供給および予約数を落とした。ANAでは787のエンジントラブルにより、中国線では機材を小型化するなど対応を行っていて、この度の繁忙期予約状況にも影響が表れたかたちとなった。一方JALでは、韓国線の供給を23.4%増やしながら、予約数が9.4%増となって、予約率が方面別で最も低い76%となった。韓国線は日韓国家間による摩擦影響が注目される。
予約率堅調なLCC、統合へバニラ供給5割減
ピーチ国際線予約3割増、JJPは国内予約3割増
■ANA夏季繁忙期、国際線予約数は1.4%増の31万人超
ハワイや米国線好調、国内線予約数も4.5%増加
■JAL夏季繁忙期、国際線予約数は前年比1.5%増加
米大陸線やオセアニア好調、国内線も予約数1.8%拡大
※写真=全体的に予約数が増加。夏季繁忙期は好調といえる