記事検索はこちらで→
2019.08.07

ウイングトラベル

ユニゾHD、HISによるTOBに反対意見表明

提携の相乗効果見込めず企業価値毀損のおそれ

 ユニゾホールディングス(ユニゾHD)は8月6日、エイチ・アイ・エス(HIS)が実施しているユニゾHDの株式公開買付け(TOB)に対して反対すると発表した。「HISとの業務提携によるシナジー創出が期待できないこと」「ユニゾHDの企業価値を毀損するおそれがあること」「公開買付価格が不十分であること」「TOBが強圧的手法で一般株主にHISの経営リスクを負わせること」「HISとの信頼関係がないこと」の5点を理由に取締役会の全会一致でTOBに反対することを決めた。
 ユニゾHDは7月11日からのHISによるTOB開始を受けて、TOBの是非を判断するため、社外取締役で構成する特別委員会を発足した。さらに、フィナンシャルアドバイザー、法務アドバイザー、税務アドバイザー、株式価値算定機関、ホテルコンサルタントを起用して評価・検討を実施した。これとあわせて7月23日にHISに対して全46項目の質問書を送付、30日に受領した対質問回答報告書を踏まえて再度詳細に評価・検討を実施した。

 

 ホテル事業、顧客層が大きく異なり販路も制約
 人員配置の共通化も困難コストダウン見込めず
 買付け価格、適正な企業価値を反映せず
 回答書の内容評価できず信頼関係構築が困難

 

■HIS、ユニゾHDの反対表明に「誠に遺憾」
 TOB実施で成長機会の創出が可能と主張

 ユニゾHDによるTOBの反対表明を受けHISも8月6日付でコメントを発表した。
 HISは「公開買付けの意義を対象者に理解いただけず誠に遺憾。今回の公開買付けの実施でユニゾHDにとっては同社の事業に関する新たな成長機会の創出が、HISにとってはホテル事業と不動産事業のさらなる成長がそれぞれもたらされるものと確信している」という考えを示した。