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2018.05.21

WING

海保70周年記念観閲式を挙行

安倍首相が特別観閲、尖閣警備船も参加

 

 海上保安庁は5月19日、20日、東京湾内において海上保安制度創設70周年記念として観閲式および総合訓練を6年ぶりに挙行、尖閣諸島警備部隊からの巡視船など巡視船艇17隻、航空機12機が観閲を受けた。20日には特別観閲官(総理大臣は直接指揮関係に無い)として安倍晋三首相も観閲した。19日の観閲官は石井啓一国土交通大臣と中島敏海上保安庁長官、20日の観閲官はあきもと司国土交通副大臣、中島海上保安庁長官が務めた。
 安倍首相は海上保安庁の強化に歴代首相の中でも各段と取組みをリードしてきた。補正予算や予備費の投入などにより巡視船の隻数の増強、航空機の増強、定員の増加を実行した。領海を守ること、自由な海上交通を守ることを重視し、さらに海上保安官の努力に報いるため、海上保安大学校の卒業式に出席し、防衛大学校と同格であることを示し、海上保安庁長官に海上保安官出身者を充てる人事も実施した。そのような思いを込めた異例の長い挨拶を「やしま」船上で述べた。海上保安の日本にとっての意義、重要性、主要な海保の歴史上の結節点での出来事、海上保安官へのねぎらいのことばがあった。
 なお、安倍首相は晴海埠頭で観閲船「やしま」に乗船し、帰路は「やしま」に着船したスーパーピューマに搭乗して下船した。海上自衛隊観艦式では通例だが、海保観閲式では観閲船への着船は初めてだ。
 昭和23(1948)年5月1日に海上保安庁法が施行されて70周年を迎え、その役割と組織、装備の規模が近年急速に拡大している海上保安庁。かつては毎年実施されて来た観閲式と総合訓練は、平成25(2013)年度以降尖閣諸島周辺海域における領域警備をはじめ、伊勢志摩サミット海上警備など、業務状況から中止していた。昨年は第3管区海上保安部主催の総合訓練が実施されたが、海上保安庁主催としては6年ぶりということになる。
 尖閣諸島対応では、専属巡視船隊が完成したことから、尖閣専用船として大量建造された1000トン型巡視船の代表として「もとぶ」と「ざんぱ」、宮古島海上保安署から180トン型小型巡視船の「ともり」が参加した。「ざんぱ」と「ともり」はフェアウェル航行で電光表示のメッセージと琉球踊りのパフォーマンスを披露したが、そのまま尖閣諸島警備に向かうとのアナウンスがあった。
 今回は関係機関船艇として海上自衛隊護衛艦「はたかぜ」、米沿岸警備隊巡視船「アレックス・ヘイリー」ほか漁業取締、消防、税関、警察船艇合計6隻がパレードし、関係機関航空機として国土交通省関東地方整備局の防災ヘリ「あおぞら」(アグスタ139)ほか消防ヘリ4機が編隊飛行訓練に参加した。

※写真=特別観閲官の安倍晋三首相(右)と観閲官・あきもと司国土交通副大臣、同・中島敏海上保安庁長官