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2019.08.22

ウイングトラベル

韓国の7月訪日客数7.6%減、1-7月で20万人減

田端観光庁長官、日韓路線の継続・復活へ尽力

 観光庁の田端浩長官は8月21日の業界紙会見で、韓国からの訪日客数が7月に7.6%減少し、1-7月累計では4.3%減と前年同期より約20万人減少したことについて、「韓国はもともと大きな市場。昨年は中国の834万人に次いで、韓国からは754万人が訪日しており、全体に与える影響は大きい」とした上で、「8月以降の航空路線の運休や減便がインバウンドとアウトバウンドに影響してくる。路線の継続や早期の復活につなげなければならず、状況をよく注視しつつも、あらゆる取り組みを進めて影響を少なくしていきたい」との見解を示した。
 日韓間では8月以降、訪日需要の急減に伴い、韓国LCCを中心に日本路線を運休、減便する動きが相次いでいる。とくに地方路線は、韓国からのインバウンド需要に支えられた路線が多く、訪日需要の急減で路線を維持できないケースが目立つ。こうした運休・減便による今後の影響を考えると、韓国からの訪日客数は7月は7.6%のマイナスに留まっているものの、8月以降はさらにマイナス幅が拡大するのは必至な情勢だ。
 仮に8〜12月までの5ヶ月間の韓国からの訪日客数が前年同期を10%下回れば、韓国だけで年間約49万人のマイナスインパクトがあるほか、15%減なら約63万人減、20%減なら78万人減、30%減なら約107万人減という大きな影響が出る計算となる。
 2019年1〜7月までの訪日外客数全体では、前年同期比4.8%増の1962万4800人、実数にして前年同期を89万人上回る水準で推移しているが、今後の韓国の情勢次第ではこのプラス分が相殺されて、インバウンド市場全体がマイナスに転じる可能性も出てきた。
 こうした可能性について田端長官は、「このままずっと悪い数字になるという悪い想定はしないポリシーだ」と強調した上で、打つべき手をしっかり打って早期回復を図る意向を示した。

 

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「アウトバウンド促進の政策的意義付けできた」
 長官就任から1年、訪日は鈍化の中で仕掛け

 田端長官は、2018年7月31日の長官着任から1年が経過し、在任2年目に入った。着任からの1年を振り返り、「インバウンド分野では昨年は自然災害が多く、2018年下半期は2.4%増の伸びに留まったが、いろいろな政策を講じて伸ばしてきた。今年に入ってからも全体としては鈍化している中で、中国などの伸ばせる市場や、東南アジアや欧米豪などの新市場をそれぞれ位置付けて、しっかり仕込みをして次に向けて取り組んできた」と総括した。
 アウトバウンドについては、若者に人気の韓国旅行への今後のマイナス影響が懸念されるものの、2019年は目標を1年前倒して2000万人達成への期待が高まっている。田端長官は、「今年2000万人を達成できたら、2020年にはさらに10%増、2200万人を目標に取り組もうと日本旅行業協会(JATA)には働きかけたい。オリパラで減少するとの弱気な見方もあるが、羽田便などの増便もある。積極策を講じていきたい」と産業界に発破を掛けた。

 

※写真=会見する田端浩観光庁長官