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レイセオン、SPY-6(V)2レーダーのシステム試験完了
初号機を強襲揚陸艦ブーゲンビルに搭載へ
レイセオンは8月20日(米国東部時間)、同社と米海軍がこのほどAN/SPY-6(V)2「エンタープライズ」対空捜索レーダー(EASR)の最初のシステムレベルの試験を、バージニア州ワロップ島の水上戦システムセンターで完了したことを明らかにした。試験では民間航空機を含む多数の目標を捜索、探知、識別、追尾した。今後、EASRは技術、試作、開発フェーズから生産フェーズに移行し、最初のSPY-6(V)2レーダーは強襲揚陸艦LHA-8(予定艦名「ブーゲンビル」)向けに納入される予定となっている。
2度目となる今回のシステム試験では、EASRのシステム統合の成熟により、他のシステムの試験との同時実施を含め試験の間、数時間にわたり継続的に多くの目標を追尾することが可能であったという。
EASRは米海軍のSPY-6ファミリーレーダーの最新型であり、空母および強襲揚陸艦用として、対空および対水上戦、電子防御、航空交通管制用に同時に情報を提供する。2つの派生型が作られており、ひとつが今回量産フェーズに向かうレーダーアンテナ面が1面で、回転により全周走査する方式のAN/SPY-6(V)2であり、強襲揚陸艦およびニミッツ級空母向けとなっている。もうひとつは固定アンテナアレイ3面で構成するAN/SPY-6(V)3で、新空母ジェラルド・フォードと将来ミサイルフリゲートFFG(X)用に開発中だ。
※写真=AN/SPY-6(V)2 EASRレーダー。アンテナ面は1面で、回転させて全周走査する(提供:レイセオン)