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2019.08.23

WING

韓国政府が日韓GSOMIA破棄決定、両者溝埋まらず

安全保障環境に懸念、北の飛翔体発射も情報交換

 韓国政府は8月22日、日韓の軍事情報包括的保全協定(GSOMIA)を延長しないことを決定した。前日には北京で日韓外相会談が行われたにもかかわらず、両者の溝は埋まらなかった。日本政府はかねてより日韓GSOMIAによって、両者の協力と連携が強化され、地域の平和と安定に貢献してきたとして、協定の延長を望んできた。しかし、ここで韓国側が破棄を決定したことで、北朝鮮の弾道ミサイル発射事案などの場合、双方で情報共有が困難になるため、東アジア周辺の安全保障環境への影響が懸念される。
 岩屋毅防衛大臣はGSOMIA破棄が決定する前の会見で、5月以降に北朝鮮が合計8回もの飛しょう体を発射した事案について説明。発射確認の際に「韓国側とはGSOMIAを通じて、様々な情報交換をしている」と説明。同協定によって日韓双方で安全保障上の情勢分析や事態対処を行うことが可能であり、双方にとって有益な枠組みだと強調した。
 GSOMIAは、軍事技術、戦術データ、暗号情報など、軍事情報の提供において、機密を保持する目的で結ぶ協定。日韓では2016年11月23日から協定を結んだ。1年ごとの更新となるが、このほど11月23日に終了することになる。