WING
成田3タミ拡張部供用開始、到着動線移し混雑緩和へ
直接バス・タクシー乗り場へ、20年度に900万人対応
成田国際空港会社(NAA)は9月4日、成田空港第3ターミナルで5日にオープンする拡張部を先行して報道公開した。この拡張部は1階到着ロビーとして運用するため、これまで2階出発ロビーを通過していた到着動線が1階へ移行。3タミ内の出発・到着動線を分離して、混雑の解消に貢献する。さらに3タミでは今年度末までに、保安検査場へスマート・セキュリティを導入するとともに、預け手荷物検査を自動で行うインライン・スクリーニング・システムを導入する。それをもって、3タミの年間処理能力は従来の750万人から900万人へ拡大し、活況なLCCの需要に応えることになる。
2015年4月に供用を開始した3タミは、LCCの需要が当初予想を大きく上回り、3年目の2017年度にはすでに処理能力を超えて764万人が利用した。翌2018年度も762万人が利用。容量を超えた運用が続き、吃緊の課題として拡張部の整備を行うかたちとなった。特に混雑が目立った2階出発ロビーは、混雑時間帯になると出発手続を行う旅客で行列が発生。それとともに、到着機から降機した大勢の旅客が同一の動線を通過する。チェックインカウンター付近では、大変な混雑が発生する状況となっていた。そのため、新たに1階到着ロビーとして拡張部を整備することで、混雑緩和を図った。
これまで国内線および国際線到着旅客は、ターミナル内から2階へ上がって、2階到着ロビーを通過して、2階出入口からバス・タクシー乗り場や2タミまでアクセスしていた。新たな到着動線では、拡張部の到着ロビーを通過した後で2階へ上がり、ターミナル外側の通路を移動。2階出入口付近の通路と接続してスムーズに移動できるようになった。
拡張部は単に動線を分離しただけではなく、各種設備を整えて機能強化を図っている。拡張部約1600平方メートルの中に、新たに案内カウンターと、到着客待合エリアを設置。さらに、3タミにはなかった手荷物宅配カウンターを設置して、2タミまで行かなくても手荷物の宅配を行うことができるようになった。また、これまで2階出発ロビーにあったバスや鉄道の乗車券販売カウンター・販売機を移設。そのほか、Wi-Fiレンタルカウンター、SIMカード販売機、ATM、両替所なども設置して、利便性向上を図った。
聴覚障がい者に配慮したエレベーター
TV電話でコミュニケーション
さらにチェックイン、保安検査機能強化
21年度には面積・処理能力が2倍に
※写真1=成田3タミで既存部分から撮影した到着ロビー。従来の動線は右側のエスカレーターで2階へ上がっていた。今後到着旅客は左側から外へ
※写真2=3タミへ新たに設置した手荷物宅配カウンター
※写真3=到着ロビーを通過した旅客は、ターミナル外側から2階へ。2階出発ロビー出入口付近のアクセス通路へつながる
※写真4=聴覚障がい者に配慮して、エレベーターにはTV電話を設置