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2019.09.26

WING

日エアバスワークショップ、日本企業30社が受注狙う

航空機「電動化」やCFRPリサイクルなどの環境分野で

 経済産業省が主催する「日エアバス民間航空機産業協力ワーキンググループ」が9月25日、名古屋市内で開催された。このワークショップには、世界を代表する航空機メーカーの一角を担うエアバスから仕事の受託を目指す日本企業およそ30社約80名が参加。今回のワークショップは「電動化」のほか、炭素繊維複合材(CFRP)のリサイクルといった「環境」を二大テーマとし、航空機産業の既存のプレイヤーのみならず、新たに航空機産業へ進出することを目指す日本企業とエアバスの貴重な出会いの場とすることが目的だ。ちなみに同日午後にはエアバスと日本企業8社の個別のBtoBミーティングが行われ、互いに情報交換を行うなど、ビジネスの具体化に向けた議論を深めた。なお、26日には今回が初めてとなるサフランとの「日サフランワーキンググループ」が、同じく名古屋市内で開催する。
 このワーキンググループは今回で4回目。経済産業省と仏航空総局(DGAC)は2013年から日仏間の航空機産業協力を目的としたワーキンググループを毎年開催。そのなかで2016年11月、エアバス幹部から革新技術を有する日本企業と協業を深めたいとの意向が示され、ワーキンググループを発展するかたちで「日エアバス民間航空機産業ワーキンググループ」が開催されている。
 経済産業省航空機武器宇宙産業課の畑田浩之課長は本紙らの取材に応じて、「(日本の航空機産業は)これまでの国際共同開発は構造、エンジンの一部を担うことで2兆円手前のところまで成長してきた」ことに言及しつつ、「ここで加速するためには、それ以外のところにまで広がらなければならない」との認識を示し、搭載装備品分野を強化していく必要性を訴えた。「本来、日本の産業はそうしたところに力を有しているはずで、それを活かして装備品のところに出ていきたいというところが我々の想いだ」と、エアバスとの結びつきを強化することで、とりわけ構造以外の分野も成長していくことを目指す方針だ。

 

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※写真=経産省主催の「日エアバス民間航空機産業協力ワーキンググループ」が9月25日、名古屋市内で開催した。