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2019.10.03

WING

航空局、A2-BCP策定向けガイドライン(案)提示

年内目処も早期策定急ぐ、多発する自然災害に備え

 「空港における自然災害対策に関する検討委員会」の第2回委員会と第4回作業部会が10月2日、国土交通省で開かれた。今回の会合では「A2-BCP」(Advanced/Airport-BCP〔事業継続計画〕)策定に向けたガイドライン(案)が事務局である航空局から示された。ただ、台風15号の襲来で成田空港に旅客が長時間足止めされるという新たな問題が発生したほか、参加した委員から幅広い意見が挙がってきたことを踏まえ、ガイドライン(案)の検討を、さらに深掘りすることになった。航空局としては年内を目処に策定するとしているが、昨今は自然災害が列島各地で多発していることから、「早ければ早いほど良い」(航空局)として、その策定を急ぐ方針だ。
 検討委員会の家田仁委員長(政策研究大学院大学教授)は「災害や事故の対策に終わりはない。あらゆる現象から学ぶべきこと、改善すべきところはないのかという視点で取り組まなければならない」とコメント。今年9月上旬に台風15号で成田空港で旅客が滞留した事例を念頭に、ガイドライン(案)を更に磨き上げていく方針を示した。
 日本列島を次々と大規模な自然災害が襲っている。昨今では温暖化に伴うゲリラ豪雨や強い勢力を維持した台風が襲来し、多発する自然災害が大きな爪痕を各地に残している。
 昨年9月には台風21号が関西空港を直撃し、一時的に空港機能が麻痺。さらには北海道胆振東部地震によって北の玄関口である新千歳空港の機能に支障が生じるなど、経済や生活に多大な影響を及ぼしたことは記憶に新しい。さらに、先月9日には台風15号の影響で、鉄道各社が計画運休を実施したことなどによって、まさに「陸の孤島」と化した成田空港には実に1万3000人が滞留する事態も発生。新たな対策を講じることが求められている。

 

※写真=航空局はA2-BCP策定に向けたガイドライン(案)を提示。自然災害が列島各地で多発しており各空港のA2-BCP策定も急ぐ