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2019.10.03

デルタ航空、羽田を軸に日本への積極投資継続

日米双方向の輸送力強化へ事業を集中

 デルタ航空(DAL)のスティーブ・シアー国際事業部門社長兼グローバルセールス執行副社長は10月2日に都内で記者説明会を開催。日本での事業展開について「日本はわれわれにとって大きな市場の1つである」と述べた上で「今後も日米間路線の強化を柱に積極的な投資を行っていく」考えを明らかにした。同社は東京路線について来年3月から羽田空港に集約することを決定。この判断についてシアー氏は「今後の成長を考えた上で正しい選択だったと思っている」と述べた。成田についてはメンテナンスやオペレーション機能など一部部門は残すものの「旅客便に関して現時点で成田に戻るという考えはない」と述べ、東京に関しては今後羽田での取り組みに集中していく考えを示した。
 シアー氏は「われわれはこれまで日本で70年間ビジネスを行ってきた。そうした中で、日本はアジア戦略にとって重要な市場の1つである。さらに東京は1日片道あたりの座席数は約1900席超を誇る。これはアジア−米国間で最も多くの輸送量となっており、世界的に見ても重要なマーケットの一つとして位置づけている。今後の成長においても非常に期待を寄せている」と強調した。

 

 羽田への集約、旅客の利便性を考慮し決断
 アジアのハブ機能は中国、韓国へ移行

 デルタ航空は来年3月の羽田空港の国際線発着枠の拡充にあわせて、既存のロサンゼルス、ミネアポリス線に加えて、現在成田空港から運航しているシアトル、デトロイト、アトランタ、ホノルル、ポートランド線を羽田に移管する。さらに、成田−マニラ線も運休し、成田空港から旅客便を撤退させる。

 

 LATAMとの提携、米大陸の航空網一層強化へ

 このほか、会見ではデルタ航空が9月26日に中南米の大手航空会社であるLATAM航空グループの株式の20%を取得など新たなパートナーシップを構築することで合意したことについて触れた。シアー氏は今回の提携合意について「興奮を禁じ得ない」とした上で「北米と中南米間の航空ネットワーク強化に向けて補完的な関係を構築することができる」と述べ、今回の提携を機に米大陸の航空網強化を一層加速させることになるという点を強調した。
 

 

※写真=記者発表会で日本事業の方向性などについて説明したデルタ航空のスティーブ・シアー国際事業部門社長兼グローバルセールス執行副社長