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ATR、短距離離着陸のATR42-600Sを正式ローンチ
建設目指す小笠原空港など離島の短距離滑走路に就航可能
ATRは10月9日(仏現地時間)、同社の取締役会においてATR42-600S型機のローンチについて、最終承認を得たことを発表した。わずか800メートルの滑走路があれば離着陸することができる同機は、今年のパリエアショーでローンチすることを表明していた。
ATRはこれまでに、ローンチカスタマーとしてリース会社のエリックス・アビエーションから10機、エアタヒチから10機分、あわせて20機分のコミットメントを得ることに成功した。
また島国である日本市場においても注目度の高い機体だ。STOL性能を有していないATR42-600型機の必要滑走路長は1050メートルだが、ATR42-600Sならば、離島などの滑走路が短い空港に就航することができるようになる。仮に日本の空に同機が導入されることになれば、調布、新島、神津島、小値賀、上五島、粟国、波照間といった滑走路長さ800メートルの飛行場に運航することが可能だ。なかでも東京都が父島の西部にある須崎地区建設を目指しているが、同空港の滑走路は1000メートルとすることを計画しており、ATR42-600Sに注目が集まっている。ちなみに日本政策投資銀行は今年のパリエアショーにおいて、同機の開発に関する協力で覚書を締結している。
※画像=取締役会でATR42-600Sのローンチが最終承認。日本の離島を飛ぶ日も近いか(提供:ATR)