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空自第3高射隊、PAC-3機動展開訓練を有明で実施
河野防相「一般施設を展開先とする機会は、非常に貴重」
航空幕僚監部・中部航空方面隊は10月9日、ペトリオットミサイル(PAC-3)の機動展開訓練を東京都有明で実施し、その様子を報道公開した。
今回訓練を実施したのは第1高射群第3高射隊(霞ヶ浦分屯基地、隊長:前田章輔2等空佐)で、人員約30名、車両約15両が有明・東京臨海広域防災公園に展開。当日は河野太郎防衛大臣や小池百合子東京都知事のほか、丸茂吉成航空幕僚長、中部航空方面隊司令官の引田淳空将等が視察に訪れ、一堂が見守る中、第3高射隊は器材の展開から撤収までの一連の手順を演練した。
また今回のPAC-3機動展開訓練について、河野大臣は8日の記者会見で、「一般の施設を展開先として機動展開訓練を実施する機会は、自衛隊にとって非常に貴重」と述べ、防衛省としていかなる事態にも対応できるよう、PAC-3機動展開訓練を全国的に継続して実施していく方針を示している。
訓練では、第3高射隊の隊員が威勢よく声を出し合うことで安全や作業の進捗状況を確認しあい、PAC-3を展開。展開開始から約分で作業を終え、その練度の高さを示した。
PAC-3の展開終了後、訓練指揮官で第3高射隊長の第3高射隊長の前田章輔2等空佐が報道陣への取材に応じた。前田2佐は今回の訓練の意義について、ペトリオット部隊は何時如何なる場所においても速やかに展開し器材を設置する必要があるとの認識を示した上で、「航空自衛隊もしくは米軍施設以外の場所における展開の戦術技量を確認するために(今回の訓練を)実施した」と語った。さらに、弾道ミサイル対処のための即応体制を国民に示すことで、「国民の生命・財産を守るという安心・安全を理解してもらえるのではないか」という狙いも明かした。
また、今回のような自衛隊もしくは米軍施設以外の場所における展開について留意しているポイントを問われると、「民間施設ということで、国民の安全を確保しつつ訓練を行わなければならないが、実施内容自体は(訓練場)同じであり、こうした『外』の環境下でも落ち着いて確実に行うように隊員に指導した上で訓練に臨んでいる」と答えた。
※写真=有明・東京臨海広域防災公園に展開したPAC-3。今回は第1高射群第3高射隊(霞ヶ浦分屯基地)が訓練を行った
※写真=公園に進入する第3高射隊の車両群
※写真=訓練では隊員たちが威勢よく声を出し、きびきびとPAC-3を展開した
※写真=今回の機動展開訓練には河野太郎防衛大臣や小池百合子東京都知事も視察に訪れた
※写真=展開を終えたPAC-3。訓練部隊の基本構成は発射機やレーダー装置、電源車、アンテナ・マスト・グループ、射撃管制装置となっている
※写真=報道陣への取材に応じた第3高射隊長の前田章輔2等空佐