記事検索はこちらで→
2019.10.11

ウイングトラベル

KLM、環境対応とデジタル化を一層推進へ

エルバース社長、将来に向け「絶え間ない成長を」

 KLMオランダ航空(KLM)のピーター・エルバース代表取締役社長兼CEOが創業100年にあたり来日し、東京都港区の駐日オランダ大使館で記者会見を行った。エルバース社長は航空業界の競争が厳しくなる中で「絶え間なく前に進んでいくことが重要で、断続的な投資が必要であると考えている」と述べた上で、「環境対応とデジタル化への取り組みに特に注力していく」考えを示した。また、日本市場については「過去68年間継続的に路線を運航しており、われわれにとって最重要マーケットの1つとして位置づけている」と強調。そうした中で「羽田空港へ就航したいという思いは強く持っている」と述べ、東京路線のさらなる強化に向けて成田・羽田の2空港で路線展開を実現できるよう働きかけを継続していく考えを示した。
 KLMは1919年に会社を設立。翌年にアムステルダム−ロンドン間に定期便の運航を開始した。設立当時から名称が変わらない、現存する航空会社としては最古の歴史を誇る航空会社となっている。エルバース社長は「KLMが創立100周年を迎えたことは、KLMの事業、革新が1世紀にわたって成功を収めてきたことを照明しているだけでなく、旅客とパートナー企業がKLMに寄せてくれた信頼の証しである」とコメント。日本を含めた世界中の関係者に対して改めて感謝の意を表明した。
 その一方でエルバース社長は「過去の業績だけで将来の成功が約束されることはない」と自らに警鐘を鳴らした上で、将来成長していく上で重要な取り組みとして「環境サスティナビリティとデジタル」をキーワードとして掲げた。

 

 羽田空港への就航「強い思いを持っている」
 成田・羽田両立実現で幅広い需要獲得へ

 

 日本路線に関しては成田−アムステルダム線について今年の夏季スケジュールにおいて週7便から週10便に増便を行うなど、好調な業績で推移している。そうした中でエルバース社長は「羽田へ就航したいという思いは強く持っている」という思いを語った。
 羽田空港に関しては来年3月から国際線の発着枠が50往復分増加することとなり、米国、中国、ロシア、オーストラリア、インド、トルコ、イタリア、フィンランド、スカンジナビア(デンマーク・スウェーデン・ノルウェーのいずれか)に割り当てられることが決まった。
 今回はオランダについては発着枠が割り当てられることはなかったが、エルバース社長は「羽田はビジネス向け、成田はレジャー需要と住み分けが可能であるため、羽田就航はあきらめたくはない」と強調。東京路線に関しては、引き続き羽田・成田の両立を目指していく方向で働きかけを行っていく方針だ。

 

※写真=記者会見後に記念撮影を行う関係者、写真右から駐日オランダ大使館のペーター・ファン・デル・フリート大使、KLMオランダ航空のピーター・エルバース代表取締役社長兼CEO、エールフランス航空/KLMオランダ航空のギヨーム・グラス日本・韓国&ニューカレドニア支社長