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自衛隊約3万1000人態勢で台風19号被害に対応
14日に430名を救助、ヘリ40機が人命救助活動
防衛省・自衛隊は、関東・東北方面で猛威を振るった令和元年台風19号の被害に対し、陸上総隊司令官を指揮官として、約3万1000人、艦艇8隻、航空機約130機の態勢による統合任務部隊を編成。10月15日までに1都10県から災害派遣要請を受けて、河川の氾濫や土砂崩れによる人命救助、孤立住民の搬送などを実施して、これまで24ヵ所で約900人の隊員が約430人を救出した。
自衛隊による10月14日の人命救助については、地上活動の隊員540人、ヘリコプター約40機によって、186人を救助した。そのうち44人はヘリの活動による救助で、宮城県、福島県、長野県で実施。特に河川の決壊などによる冠水や、土砂災害によって著しい被害を受けた。宮城県丸森町および福島県阿武隈川流域市町村では14機が活動し、長野県長野市で13機が活動したほか、同活動の支援のため13機の航空機が活動した。
さらに地上部隊による人命救助では、冠水地域、土砂災害現場で実施して、142人を救助した。陸上自衛隊第2施設団は約30人が宮城県丸森町で活動。第44普通科連隊、第2施設団、第6特科連隊は約230人が、福島県の郡山市、二本松市、本宮市で活動した。第13普通科連隊、第306施設隊、第12偵察隊、第12後方支援隊の約230人は、長野県長野市で人命救助を行った。第34普通科連隊では、約30人が静岡県裾野市で活動した。第4施設群は約30人で神奈川県相模原市で人命救助活動を行った。
また防衛省・自衛隊は、復興・復旧作業の一環として、すでに給水支援、道路啓開、瓦礫除去作業を行っている。14日の給水支援は、岩手県釜石市で第9高射大隊約10人が支援を行ったほか、福島県(郡山市、新地町、南相馬市、二本松市、田村市)で、第44普通科連隊、第6高射大隊、第6特殊武器防護隊、第11施設群、第27警戒群の約50人、栃木県(那須烏山市、栃木市)で中央即応連隊の約20人、茨城県常陸大宮市で施設教導隊約20人、埼玉県秩父市で第32普通科連隊約20人、静岡県(熱海市、函南町)で第1戦車大隊および第34普通科連隊約50人が支援を行った。
14日の道路啓開・瓦礫除去については、栃木県栃木市で第12特科隊が約180人を派遣し、静岡県小山市で第34普通科連隊が約40人の隊員が活動した。
国土交通省などによると台風19号は、12日19時前に伊豆半島へ上陸。関東地方を通過して、13日未明には東北地方東海上を通過して、13日12時に日本の東で温帯低気圧へ変わった。各地で記録的な大雨を記録し、10日からの総雨量については、神奈川県箱根町では1000ミリに達したほか、関東甲信地方と静岡県の17地点で500ミリになり、関東の7ヵ所で最大瞬間風速40メートル超となった。河川の決壊は、現在のところ17水系47河川66ヵ所にも上った。
これまで防衛省・自衛隊が災害派遣を行ったのは、宮城県、栃木県、静岡県、長野県、東京都、福島県、茨城県、岩手県、群馬県、埼玉県、神奈川県といった都・県。連絡員(LO)の派遣は県など21都県自治体および東京電力本社に対して行った。災害派遣を行った部隊については、陸上自衛隊の第2施設団(船岡)、第12特科隊(宇都宮)、第34普通科連隊(板妻)、第13普通科連隊(松本)、第1師団(練馬)、第6特科連隊(郡山)、施設学校(勝田)、船岡駐屯地、第44普通科連隊(福島)、多賀城駐屯地、第12特科隊長(宇都宮)、第9特科連隊(岩手)など。
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※写真1=自衛隊のヘリによる人命救助活動で14日には44人を救助した(提供:防衛省)
※写真2=断水した地域へ給水支援する自衛隊員(提供:防衛省)
※写真3=自衛隊による物資輸送(提供:防衛省)