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エアロネクスト、重心制御技術で「空飛ぶゴンドラ」発表
ドローン重心制御とVTOL重心制御技術で安定飛行
エアロネクストが、新たなコンセプト「空飛ぶゴンドラ」を打ち出した。その原理を具現化すべく、試作機「Next MOBILITY」の開発し、すでに同機の飛行実証の成功にまで漕ぎ着けた。エアロネクストによると、「空飛ぶゴンドラ」は機体は回転翼と固定翼のハイブリッド型の垂直離着陸機(VTOL機)で、同社が有する重心制御技術「4D GRAVITY」を応用。これに新たに開発したVTOL機の重心制御技術「ティルトボディ」を採用する。開発パートナーを募りながら、2023年頃の実用化を目指す。
エアロネクストによると、VTOL機用の重心制御技術「ティルトボディ」は、離陸から水平飛行へと遷移する際、従来機のようにローターだけが傾斜するほか、ローター付きの固定翼が傾斜するのではなく、人が乗っているキャビンと構造的に分離したボディ(主翼・プロペラ・モーター・アーム)が、キャビンを地面に対して水平に保ったまま、ボディそのものが傾斜することで、飛行姿勢の安定性を保つ機体フレームのこと。
一方、「4D GRAVITY」はもともとドローン向けに開発した重心制御技術。ドローンの飛行姿勢などに応じて、重心の位置を最適化する。同社によれば、ドローンの基本的な構造として、飛行部はアームやプロペラ、モータで構成され、カメラや荷物などを積載する搭載部に大別することができるとし、ジンバルを使って飛行部と搭載部を物理的に切り離す構造とすることで、搭載した荷物などの遠心力が飛行部に加わらないことから、ドローンの飛行安定性向上や燃費性能を向上することなどができるとしている。
なお「CEATEC2019」では、試作機「Next MOBILITY」1号機を展示した。この機体は1人乗りの機体の実際の3分の1サイズのモデルだという。このモデルは全幅1380mm、全長1400mm、全高700mmのサイズで、その重量は8.2kg。この試作機をベースに実際に人が搭乗するモデルが開発する際には1名乗りの乗り物とすることを想定。搭乗する際のドアは左右両面開きとし、前方左右をガラス張りとすることで空中散歩を楽しむことができるようにする。パイロットは搭乗する必要がない遠隔操縦自動航行とし、万一トラブルが発生したとしても、主翼とプロペラを備えることで即時墜落を回避することができるようにする。同社は今後、複数の人が搭乗することが可能な機体も発表する予定だ。
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