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東北大発ベンチャー、「AZUL Energy」が設立
非白金系触媒の社会実装を加速
東北大学は10月18日、大学発ベンチャー「AZUL Energy」を設立したことを発表した。東北大学材料科学高等研究所(AIMR)は、青色顔料研究の過程において、その一種を担持した触媒電極が白金炭素(Pt/C)や既往の触媒電極材料よりも高い活性を示す事を見い出すことに成功。リチウムイオン電池に代わる新たな電池として燃料電池や金属空気電池などは次世代電池としてドローンを含めた様々な産業から期待を集めている。電池の正極は白金を担持する炭素触媒が利用されているが、白金は高価でありかつ資源制約もあることから、それに代わる触媒が求められている。AZUL Energyは非白金系触媒の社会実装をより加速するなど、燃料電池・金属空気電池用の触媒電極材料を中心に事業の展開を進めていく計画だ。
東北大学材料科学高等研究所(AIMR)藪浩准教授、東北大学学際科学フロンティア研究所阿部博弥助教(同材料科学高等研究所兼任)らは、次世代エネルギーデバイスとして期待される燃料電池や金属空気電池に不可欠である高活性で高い耐久性を示す非白金系酸素還元反応用触媒電極材料を見出し、その論文を報告。この触媒電極材料は、希少元素を含まず、高い耐久性と安全性を兼ね備えるなど、燃料電池の脱白金化による普及や高エネルギー密度で軽量な金属空気電池の実現に貢献できるものと期待されるとしている。