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2019.10.21

WING

FAA、737MAX巡りボーイング対応を批判

16年当時のスタッフの懸念をFAAに伝達せず

 米連邦航空局(FAA)は10月18日(米国現地時間)、FAAのスティーブ・ディクソン長官がボーイングのデニス・ミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)に宛てて、ボーイングを批判する文書を送った。
 これは737MAXの型式認証を取得するプロセスを進めていた2016年当時、ボーイングスタッフ同士のインスタントメッセージでMCAS機能に懸念を示すやり取りがあったことが確認されていたものの、その情報をFAAに伝えていなかったというもの。ボーイングは17日遅くに米運輸省に対してこのインスタントメッセージの存在を伝え、ボーイングは米運輸省に対して数カ月前にこの文書を発見したと伝えていた。
 スティーブ・ディクソン長官はミューレンバーグCEOに宛てた文書のなかで、「ボーイングがこの文書を発見しても直ぐにこの文書に注意を向けなかったことに失望している」とコメントした。
 FAAとしては同文書の存在について、どういったアクションを講じるのか適切な判断を下すとしており、下院の交通インフラ委員会と共有を進めて、18日付で関連文書を委員会に提出した。
 ディクソン長官がミューレンバーグCEOに宛てた文書のなかで、737MAXの運航再開判断は「所定のスケジュールに基づいて行うのではなく、徹底的なプロセスに従う。FAAは機体が安全であると判断した場合にのみ、運航停止命令を解除する」ことに言及しており、今第4四半期のできるだけ早い段階で運航再開を目指すことに度々言及していたミューレンバーグCEOに釘を刺した。
 一方、ディクソン長官から書簡を受け取ったミューレンバーグCEOは、ディクソン長官と電話会談を行ってFAA側の懸念に対応。さらにディクソン長官に対して、ボーイングは737MAXを安全に空へと戻すために、同社として可能な措置を全て講じていることを保証した。
 ボーイングによれば、17日に運輸省にボーイングの元スタッフの声明を含む文書を提出したとして、同様の文書は今年の初めに既に調査機関に提出済みであることに言及している。さらにボーイングは下院の交通インフラ委員会の調査に自主的に協力しているとし、その協力のなかで問題となっている文書が注目を集めていることを明かした。

 

 その後、ボーイングは10月20日付で、…

 

 こうした経緯を明かした上でボーイングは、「…

 

 いずれにしても、来週10月30日にはミューレンバーグCEOによる議会証言の場が控えている。FAAとの「溝」が深まるなかで証言台に座らなければならないミューレンバーグCEO、ひいてはボーイングにとって大きな山場となりそうだ。

 

※写真=ボーイングとFAAの溝は深まる。11日には各国当局の合同調査チームがFAAの体制を批判する調査報告書もまとまっている。次々と発覚する事実に米国の認証制度が大きく揺らいでいる

 

 

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