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SKYサイパン線、成功の鍵は「空白の一年半」を如何に埋めるか
最盛期45万人の需要回復向けて市場再創造に挑む
スカイマークは来る11月29日に、初の国際定期便として成田-サイパン線に週7往復便で就航する。2018年5月にデルタ航空が同線から撤退。以降、成田-サイパン間の直行便は無くなってしまった。その隙間を縫って同線への就航を決定したのがスカイマークだ。そのスカイマークにとって成田-サイパン線就航の最大の課題は「1年半もの間、日本とサイパンの間に直行便が無く、その空白を如何にして埋めることができるのかという点だ」(スカイマーク幹部)と指摘する。
デルタ航空の撤退から一年半。日本人の頭のなかから、成田-サイパン直行便の記憶はすっかりと薄れてきてしまった。
スカイマークの本橋学専務取締役は「日本からサイパンへの訪問者数は、最盛期には45万人あった」と振り返りながら、「直近では4万人程度。1/10くらいにまで減少した」ことを明かした。
現在、サイパンを訪問する外国人の多くは中国人や韓国人。かつては日本人にも身近なリゾート地であったが、もはや大きく様変わりした。実際、中国資本のカジノやホテルの建設が進むなど、中国などからの訪問者は今後も拡大しそうだ。
日本人にも人気だったサイパンは、成田からわずか3時間半と身近だ。時差もたった1時間。東京-那覇間とさして変わらぬ飛行時間で、訪れることができる身近な海外リゾートだ。年間を通じて平均気温が27度あって、一年中海に入ることができるほか、手付かずの自然が豊富に残されていることが特徴。近隣にはロタ島、テニアン島などといった北マリアナ諸島の島々もあって、様々なリゾート・アクティビティを楽しむことができる。
スカイマークとしては最盛期に45万人もあった需要を取り戻すべく、成田-サイパン線に定期便を就航することを決断。チャーター便で多くの旅客を獲得するなど、実績に裏打ちされた自信をベースに、成田-サイパン線の定期便を運航することになる。
本橋専務は「我々が1日1往復することで、だいたい6万5000人の往来を生み出すことができる」ことに言及。その上で、「(需要を)回復させることができるということを我々としては信じている。就航地と航空会社が関係を構築して、新しい流れ、新しい需要を創出していきたい」として、サイパンという市場の再創造・リブランドに挑む構えだ。
年間通した高搭乗率を確保できるか
現地と協力で新たな”仕掛け”も
※写真=スカイマークが11月末から成田-サイパン線に就航する