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2019.10.29

WING

ダイモン、2021年から25年まで毎年ローバーを月面に

毎年月に送り込む台数倍増、AIで月面ロボ共生社会構築

 月面ローバー「YAOKI」を開発中のダイモンの中島紳一郎最高経営責任者(CEO)が本紙の取材に応じて、「2021年から5年間連続で月面にYAOKIを送り込む。2021年は1台だが、2022年には少なくとも2台を、それ以降、毎年前年の倍の台数を月面に送り込む」計画にあることを明かした。これにより計画最終年度の2025年には、合計で16台もの月面ローバー「YAOKI」を月面に送り込む計画にあることが浮き彫りとなった。ちなみにダイモンは既に開発中の「YAOKI」を、米国のアストロボティクスの月着陸船「ペレグリン」に搭載することで同社と合意済みだ。
 2021年には1台の「YAOKI」が月面上を走行することになるが、2021年時点では遠隔操作と撮影(動画含む)のみを行うことが可能なシンプルなモデルを送り込むという。前述したように、2021年以降、毎年、前年の倍の台数の「YAOKI」を月へと送るが、2022年以降、「YAOKI」にAIを搭載することを目指す。
 「複数台のローバーを月に送ることで、月面を群探査することが可能だ。AIを搭載することで各ローバーに自己判断能力を付与しつつ、ローバーが互いの状況を探る」とし、「さながら月面におけるロボット共生社会を構築することがゴール」であることを明かした。
 ダイモンとしては「YAOKI」を使って月面の水などといった宇宙資源探査のほか、人が月面に居住する際の拠点候補になり得ると考えられている月の洞窟を探査することを計画中だ。
 資源探査向けには赤外線センサや水系センサを搭載することで資源探査に従事することを想定。一方の洞窟探査では、そもそも「YAOKI」は設計上、「100Gにも耐えることができる仕様となっている」ことを明かしており、「数十メートル上から硬い岩盤に落下しても、十分に耐えることができる」との見方を示した。
 なお、「YAOKI」のサイズは150×150×100ミリのサイズ。現在、月面へと送り込むためのフライトモデルの仕上げ作業にかかっている。フライトモデルということで、対放射線、温度対策など、厳しい宇宙の環境に適した材料を利用するなど、宇宙仕様とする。

様々な月面サービスの展開も視野に
オープンイノベで事業展開、実機販売も

 ダイモンでは月面で様々なサービスを展開することを検討中だ。そのうちの一つが….

※写真=ダイモンの中島紳一郎CEO。YAOKIは現在、月に送り込むためのフライトモデルの仕上げに入っている