ウイングトラベル
ANAHD、中間純利益23%減の567億円
航空事業好調1.7%増収も羽田増枠で費用増
ANAホールディングス(ANAHD)が10月29日に発表した2020年3月期の中間決算(19年4月-9月)によると、四半期純利益が23%減少した567億円に留まった。いよいよ来年に控えた首都圏空港の発着枠拡大に向けて準備を整えるため、機材や人件費などといった費用が膨らんだことが大きな要因。加えて、米中貿易摩擦や不確定要素の大きなグローバルな政治・経済情勢に足を引っ張られるかたちで、日本企業の業務渡航需要が減退したことがみられたことのほか、国際線貨物事業が大きな影響を受けたことなども背景にある。
期間中の売上高は、とくに第1四半期が好調だった航空事業を中心として増収となったことから1.7%増加した1兆559億円を確保した。ただ、前述したように営業費用が4.7%増加した9771億円に拡大。人件費、機材費、整備費などが膨らみ、営業利益は25%減少した788億円と、前年同期比で大きく減少した。経常利益も20.8%減少した815億円と、大幅な減益となった。
国際旅客、単価上昇旅客収入2.3%上昇
第2四半期に日本発業務渡航減退、競争激化
セグメント別にみると、本業の航空事業の売上高は142億円増えた9300億円と増収。一方で営業利益は275億円減少した735億円だった。このうち国際線旅客事業の旅客収入は2.3%増加した3385億円を確保。上期の旅客単価は2.3%向上したとのことで、旅客数はほぼ前年並みの517万2000人、利用率は0.6ポイント減少した76.8%だった。
国内線旅客、需要堅調で4.7%増収
イールドマネージメントなど奏功
LCC旅客収入、4.6%減少した461億円に
日韓関係悪化でピーチの韓国線が苦戦
旅行事業、国内店舗販売減も旅作が好調
海外ハローツアー売上増、ハワイA380で好調
旅行事業の売上高は3.3%増加した823億円を確保。営業利益は93.4%増えた13億円となった。
ANAHDによれば、国内旅行は店頭販売のANAスカイホリデーの取扱高が減少したものの、インターネット販売のダイナミックパッケージ商品「旅作」において、需要の早期取り込みに成功。これにより、売上高が前年同期を上回ったという。
一方、海外旅行ではA380を投入したことで販売強化に取り組んでいるハワイ方面に加えて、ANAハローツアーの個人型商品や添乗員付き商品が堅調に推移し、国内旅行と同様に前年同期の売上高を上回った。