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2019.11.08

WING

NAA、成田のさらなる機能強化で変更許可申請提出

28年度末完成予定、滑走路・誘導路整備約5000億円

 成田国際空港会社(NAA)は11月7日、国土交通省へ「成田空港のさらなる機能強化」に関する航空法の変更許可申請書を提出した。B滑走路の北伸や、C滑走路の新設など、2028年度末までに整備を完了させて、年間の発着容量を現在のおよそ倍となる50万回まで拡大する。この申請による用地買収や滑走路など地上施設整備に必要な事業費としては、約5000億円を見込む。
 NAAの田村明比古社長はこの日、国土交通省を訪れて変更許可申請など必要書類の提出を行った。NAAでは去年3月の四者協議会以降、環境アセスメントや、地権者の同意の取り付けなどを行ってきたとして、航空局の和田浩一局長に対して「本日、準備が整ったので、航空法に基づいて空港等変更許可申請を提出させていただく」と述べて、申請書を手渡した。

 

NAA田村社長、訪日目標達成へ「1日も早く機能強化」
厳しい空港間競争生き残りへ、様々な機能発揮

 

 その後、田村社長は囲み会見に応じ、今月5日に国側から成田空港のさらなる機能強化について、成田国際空港株式会社法に基づく基本計画の改定がなされたと説明。改定基本計画には、新平行C滑走路設置と、B滑走路延伸のほかに、完成期日を2030年目途とすることが記されていた。
 しかしNAAが示した完成期日は、それよりも早い2028年度末となった。田村社長は、国の基本計画よりも整備計画を前倒ししたことについて「引き続き地権者に丁寧に話をして、理解を得た上で、1日も早く共用できるように努めていきたい」と述べた。するとNAAとして、国が2030年に目標とする訪日外国人旅行者の年間6000万人を達成するため「その目標実現に貢献しなければいけない」との考えを示した。さらに、地元の県や周辺市町村からは“1日も早く申請を行って、さらなる機能強化を実現せよ。環境対策、地元の振興策を講じてほしい”といったた話が届いているため「1日も早く機能強化を実現したい」と話した。
 成田空港のさらなる機能強化が必要な理由としては、非常にグローバルな空港間競争が激しくなってきていることが背景にあるという。成田空港は、できる限り早く「十分な容量を獲得した空港として、様々な機能を発揮していくことが望ましい」とのこと。さらに、これまで首都の玄関口の役割を果たしてきたとして、さらなる機能強化に向けて「新たな気持ちで事業がしっかりと実現するように決意を新たにしていきたい」と意欲を示した。

 

地権者の同意書取得率は96%に
「引き続き理解深める努力、丁寧に積み重ねる」

 

需要動向見て新ターミナル整備
C滑走路の誘導路付近で検討か

 

※写真=変更許可申請書を提出したNAAの田村社長と、それを受け取った和田航空局長

※図=拡張後の成田空港の姿(提供:NAA)