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2019.11.15

WING

IATA9月、航空貨物需要は前年比4.5%減と低迷

貿易紛争で市場に打撃、ジュニアックCEO「厳しい環境続く」
 
 国際航空運送協会(IATA)が発表した9月における世界の航空貨物市場動向によると、航空貨物需要を表すFTKは、対前年同月比4.5%減少した。その一方、航空貨物スペースの供給量を示すAFTKは2.1%拡大。その結果、ロードファクター(FLF)は46.4%と、3.2ポイント悪化するかたちとなった。
 IATAによると、対前年割れの実績は11ヵ月連続となっているとしており、前年割れの期間が続いていることは、2008年の金融危機以降、最長となっているという。一方、eコマース市場の拡大を見据えて航空会社は航空貨物スペースの拡大を図る施策を展開したため、AFTKは拡大。IATAによると、供給量が貨物需要の伸びを上回ったことは、17ヵ月連続となったとしている。
 IATAは航空貨物市場の低迷が続く理由について、米中貿易戦争と日韓の問題に言及。こうした貿易紛争に起因して世界貿易が悪化したほか、経済成長が複数の要因で弱含みをみせていると説明した。ちなみに世界的に輸出は減少傾向にあって、製造業の輸出注文を追跡する購買管理者指数(PMI)は、2018年9月以降、減少を続けている。

 

※写真=航空貨物市場の長い冬のトンネルには依然出口は見えない。金融危機以降、過去最長の低迷期はしばらく続く(提供:IATA)