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NAA中間決算、収益1267億円で3期連続最高値更新
施設改修や退職給付費増で減益、リテールで苦戦
成田国際航空会社(NAA)が発表した2020年3月期中間決算(2019年4月1日~9月30日)によると、営業収益が前年同期比1.4%増の1267億円と、3期連続で民営化以降最高を更新。しかし、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会へ向けた施設改修費用の増加や、金利低下影響による退職給付費用の増加などコストが増えたことによって、営業利益が5.9%減の293億円、経常利益が6.3%減の284億円、中間純利益が10.3%減の183億円と、増収減益となった。
NAAの田村明比古社長は中間決算会見で、東京2020大会に向けた改修に伴う店舗の営業休止に加え、中国元安に伴った中国系旅客の消費マインド低下などが影響したため、リテール事業では減収となったことを説明した。そのため全体としては増収となったが、わずかな伸びに留まったという。
一方で、増収となった空港運営事業は、成田空港への新規就航や増便によって、発着数および旅客数とも増加した。旺盛な訪日需要を背景に、国際線の外国人旅客が引き続き伸びた。同じく日本人旅客も堅調に推移した。そのため、航空旅客数は5期連続で開港以来最高を更新。さらに航空機発着数では、国際線のみならず、国内線の旅客便が新規就航・増便となったことによって、8期連続の最高値更新となった。
航空43対非航空57、収入割合で非航空ポイント減
旅客動向変化、リテールでは「市場に対応」
空港運営事業、コストかさみ利益大幅減
リテールは店舗改修で伸びず減収減益に
通期予想は「保守的」、当初より下方修正
中国系旅客の消費マインド低下など考慮
※写真=中間決算の説明を行うNAAの田村社長