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2019.11.18

WING

中部空港、旺盛な訪日需要で8期連続の増収

国際線・免税店好調で売上高10.8%拡大

 中部国際空港は11月15日、2019年度中間決算を発表した。それによると、売上高は前年同期比10.8%拡大した359億8000万円と、8期連続の増収を記録。旺盛な訪日外国人需要の取り込みによって、とりわけ国際線の空港事業が免税店の売上が大きく伸びたことが奏功した。
 中部国際空港会社の各務正人副社長によると、「空港事業は日韓間の外交上の問題や香港の政情不安などの影響はある」との認識を示しつつも、それでも「訪日外国人旅客は引き続き拡大基調にあるほか、中国路線を中心とした新規就航による押し上げ効果など、国際旅客数、発着回数ともに過去最大の伸びを示した」ことに言及。国内線も増便・新規就航効果などによって旅客数・発着回数ともに好調に推移したほか、開港以来初となる総合免税店の大規模改装などに取り組んだことによって旺盛な訪日需要によって外国人需要を取り込んだ商業系収入の伸びが売上を牽引したことを明かした。
 一方、営業費用は13.3%増加した300億1000万円となった。「商業事業の好調な売上に伴う仕入れの増加や第2ターミナルの整備・開業準備、人員体制の強化、新規就航を捉えた需要喚起策など、人件費・物件費共に増加した」という。
 そうした結果、利益面では営業利益が0.3%減少した59億6000万円、経常利益も6.2%増加した59億2000万円となり、純利益は0.5%増とほぼ前年並みの38億3000万円と、ほぼ前年並みの水準に着地した。
 売上高が10.8%増加した中間決算だが、とりわけ好調に推移したのが空港系収入の国際線事業だ。国際線事業は中国、東南アジア、台湾線などの新規就航・増便が相次いだ結果、前年同期比で8億1000万円の増収。国内線事業も堅調に推移して2億1000万円の増収があるなど、空港系事業の売上高は好調に推移した。
 また、商業系事業の売上高も好調。国際線の新規就航や増便によって旅客数が拡大した結果、免税店の売上高は前年同期比15億円増加するなど好調。フライト・オブ・ドリームスや大幅なリニューアルを実施した総合免税店も収入の向上に寄与した。

 

通期予想、日韓関係や香港デモが影響
新規就航・増便相次ぐも減益予想

 

※写真=旺盛な訪日需要が増収に寄与。記者会見に臨む各務正人副社長