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2019.11.28

WING

防衛省、北朝鮮タンカー瀬取りの疑い確認

相手不明船舶は船名隠し、疑わしき行為21回確認

 防衛省は、北朝鮮船籍タンカーと不明船舶による“瀬取り”の疑いがある行為を確認したとして、このほど発表した。瀬取り行為の疑いを確認したのは今月13日、東シナ海公海上、上海東沖約280キロの海域。北朝鮮船籍タンカーは「MU BONG 1(ムボン1)号」(IMO番号:8610461)で、船籍不明の船舶については、船尾の船名記載部分が確認できないよう、覆いで隠していたのを確認した。
 北朝鮮のムボン1号は、船籍不明の船舶と接舷(横付け)した上、蛇管(ホース)を接続していた。そのため、何らかの作業に従事していた可能性があるという。日本政府ではそれらの事実から、国連安保理決議で禁止されている瀬取りを実施していたことが強く疑われると、総合的に判断した。この瀬取りと疑わしき行為の公表は、日本政府として14回目。ほかにも疑わしき行為を確認した回数は21回に上る。
 この度、瀬取りと疑わしき行為を確認したのは、海上自衛隊第14護衛隊の護衛艦「せんだい」(舞鶴)だった。日本政府はこの事案を受けて、国連安保理北朝鮮制裁委員会(専門家パネル)に通報した。関係国との情報共有を図り、北朝鮮による国連決議の完全な履行を要求する。

 

※写真=左が北朝鮮のムボン1号、右が不明船舶。蛇管を接続し、明らかに作業を行っている。不明船舶の船名部分は覆いによって確認できない(提供:防衛省)