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2019.11.28

WING

艦艇に隊員の個室を、快適性向上の研究進む

装備庁、2段個室の寝台ユニットなど提案

 海上自衛隊の海洋任務は、非常に限られた空間の中、長期にわたって行うことになる。緊張感の高い任務の終わり、1人になれる空間で身体を休めたいところだが、一般の隊員には個室など与えられるはずもない。防衛装備庁では、そんな洋上での生活を変えるかもしれない研究が行われている。1つの案として示すのが、2段個室寝台ユニットだ。上段と下段の個室に分かれて、ベッド上で座れる高さを確保する。下段はベッド下を収納スペースとして、上段は階段の下を収納とする。防衛省・自衛隊では、女性の活躍を推進していく中、艦艇など限られた空間でのプライバシー保護などが大きなテーマだ。こうした居住の快適性改善によって、女性の活躍はもとより、人材確保へ向けた取り組みにも期待することができる。
 この研究は、水上艦船における滞洋能力の向上の一環として行われている。同研究の最も大きな目的は、滞洋能力に関する課題を整理することと、民生技術の調査によって水上艦船への適用可能性を検討すること。そして、今後の水上艦船のぎ装設計に向けた技術情報を得ることだ。防衛装備庁によると、滞洋能力は艦船の運航能力と、乗員の生活環境に分類されるとし、中でも生活環境維持を研究対象として、居住関連ぎ装のほか、糧食・真水、廃棄物・生活排水などの研究も行った。
 防衛省・自衛隊では、少子高齢化が進む日本において、人材確保を重要な課題としている。近年は各分野で人手不足が叫ばれる中、・・・

 

糧食の保存方策、廃棄物の容積圧縮など研究

 

※写真=防衛装備庁が技術シンポジウムで示した2段個室寝台ユニット