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2018.06.04

WING

小野寺防衛相、シャングリラ会合へ出席

北朝鮮への見返りに慎重な姿勢、国際社会へ強調

 小野寺五典防衛大臣は6月2〜4日に、シンガポールで行われた第17回IISSアジア安全保障会議(シャングリラ会合)へ出席。会合でスピーチを行って、北朝鮮情勢への取組みと、インド太平洋地域の安定へ向けた日本の姿勢について説明した。北朝鮮に対して、見返りはあくまで慎重に行うべきだとして、圧力は継続するべきとの姿勢を強調した。また、インド太平洋地域では、大きなリスクとして自然災害などを挙げ、各国の連携強化によって、平和と安定が得られると説明した。
 小野寺大臣はスピーチで、防衛大臣1期目に同会合で北朝鮮に対して断固たる姿勢を示し、国際社会から強い支持が得られたことを振り返った。その上で、北朝鮮は挑発行為を一層加速化させてきたとして、世界的な脅威へ広がったことを説明した。しかし、国際的な圧力の下、北朝鮮が対話に応じるよう変化が現れたとして、国際間の協力が実を結んだことを強調した。
 その上で今年4月27日の南北首脳会談で「板門店宣言文」が発表され、非核化への意志が文書で確認されたことを評価。日本として、北朝鮮のすべての大量破壊兵器およびすべての射程の弾道ミサイルについて、完全で、検証可能で、不可逆的な廃棄(CVID)に向けた実質的な進展がみられ、日本人の拉致問題を解決する機会となることに強い期待感を示した。しかし、北朝鮮がとってきた行動を鑑みると「対話に応じることのみをもって見返りを与えるべきではない」と述べ、北朝鮮が累次の安保理決議に則って、具体的な行動を取ることを重視するべきだとして、対話に応じることのみをもって見返りを与えてはいけないと強調した。