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関空T1が国際旅客中心のターミナルへ再設計
大阪万博までに空港全体で4000万人のキャパ確保
関西国際空港のターミナル1(T1)が生まれ変わる。関西エアポートは12月12日、大阪関西万博の開催を予定する2025年までに、関空T1のリノベーションを完了する計画を発表した。この再設計では、国際線施設の比率を上げて国際線キャパシティを拡大する。2018年度には空港全体の旅客数が2500万人弱だったが、このリノベーションを中心に約4000万人のターミナルキャパシティを創出する計画だ。特に出国審査後のエアサイドエリアを中心に充実させて、利便性および旅客体験の向上を図る。
同社が関空T1で解決するべき課題とするのが国際線出発エリアの混雑だ。関空では近年、中近距離の国際線が著しく増加して、国際線旅客の利用も大幅に増加した。当初の計画では、国際線の取扱いは年間1200万人、国内線が1300万人としていたが、2018年実績で国際線が2060万人、国内線が400万人と、計画と実態にギャップが生じ、これを解消する手段が必要となっていた。さらに、国際線のスポットが南北に分散していて、使い勝手にも課題があった。また、自然災害の対応も大きな課題となっていて、特に巨大地震への備えは必要とされていた。
そこで、この度のリノベーションでは次の対応を図る。出国後エリアでの滞在中、快適な時間をより長く過ごすことを狙いとして、まずはファストトラベルを推進して、手続の短縮化を進める。国際線・国内線エリア配置を見直し、さらに一般エリアと出国後エリアの比率を見直して、国際線諸施設をT1中央へ集約化する。大型地震に備えるため、天井やエスカレータなどの耐震補強を行う。さらに商業エリアを充実させて、旅客体験を向上させる。
国際線南北分散を解消、国際線5スポット拡大
出国後エリア約60%面積拡大、大幅な配置変更
20年末までに設計・調整、改修工事開始へ
※図1=国際線・国内線エリア配置(提供:関西エアポート)
※図2=リノベーション後のT1(提供:関西エアポート)
※図3=出国審査場イメージ(提供:関西エアポート)
※図4=出国後エリアは4つのイメージでゾーニング(提供:関西エアポート)