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2019.12.19

WING

ZIP、総座席数290席の787初号機を公開

西田社長、「長時間でも安全快適」をコンセプトに

 日本航空(JAL)傘下で中長距離LCCの運航を準備中のZIPAIR Tokyo(ZIPAIR)は12月18日、同社が運航する787-8型機(1号機:JA822J)の客室を報道陣に公開した。その客室仕様は全290席で、このうちフルフラットシートの「ZIP Full-Flat」が18席、普通席「Standard」を272席装備する。ZIPAIRの西田真吾社長は、「コンセプトは長時間のフライトであっても、安全快適な機内空間を提供するということ」であることを明かしつつ、完成したばかりの客室の仕上がりに胸を張った。気になる運賃だが、正式な発表は来春に予定しているが、「ZIP Full-Flatの専有面積はStandardの3倍。それに見合った運賃をいただければ」(西田社長)としている。ちなみに販売は自社のウェブサイトを通じた直販が大半のものとなると想定中で、チャネルを絞って販売する計画だ。
 今回公開された機体はZIPAIRの1号機。もともとはJALにおいて活躍してきた機体で、JALにおける運航を終えて中国・厦門において改装。日本国内で座席を搭載るなどして完成。JALからリースを受けるかたちで、去る12月16日に正式にZIPAIRの機体となった。
 ZIPAIRの2号機も既にJALにおける運航を終了しており、現在は厦門で改装中とのこと。「1月下旬から2月初旬にかけて日本に到着する」(西田社長)見通しにあるとのことで、その後は1号機と共に訓練に投入され、来る5月14日の成田-バンコク線の運航開始に備える。3号機は詳細な導入時期などは明らかにしなかったが、1・2号機と同様、「JALからのリース形態になる」見通しだ。
 なお、バンコク線開設の後には、7月1日から成田-仁川線を開設する。日韓関係の悪化という逆風が依然として吹いているが、それでも西田社長は首都圏と韓国間の需要に自身をみせている。
 その先には早ければ2020年度中に3都市目の就航を目指すとしているほか、バンコク線と仁川線の運航を通じてETOPSを取得することを目指しており、2021年度中、早ければ20年度中にも、いよいよ本丸である北米線を開設することを目指したい考えだ。

 

なぜフルフラットシートを設定したのか?

 

上質空間生み出した普通席

 

個人モニターは設置せず機内Wi-Fi提供へ
IFE配線必要なく機体を500kg軽量化も

 

「ZIP Full-Flat」は「ビジネスクラス」ではない
旅客が自由にフライト中のサービスカスタマイズ

 

※写真=フルフラットシート「ZIP Full-Flat」を計18席装備した

※写真=旅客に様々な選択肢を提供することを目指すZIPAIR。フルフラット席もビジネスクラスとしてではなく、様々な選択肢の一環として提供する

※写真=普通席「Standard」は黒の人工皮革を用いて上質な空間を作った

※写真=「Standard」席を後方から撮影。背面はライトグレーとすることで優しい雰囲気に

※写真=バリアフリー対応のラバトリー。2つのラバトリーを繋げることで実現。これにより介助者も同時に入ることができるように

※写真=完成したばかりの客室空間に自信をみせる西田社長

※写真=パイロット、客室乗務員の訓練は既に始まっており着々と就航準備が整う

※写真=ZIPAIRの外装。5月14日には成田-バンコク線の運航を開始し、7月1日には成田-仁川線の運航を開始する