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2019.12.20

WING

山本防衛副大臣、馬毛島買収で地元自治体に説明

仮称・馬毛島基地建設へ1月中の調査再開を希望

 防衛省は12月19日、米海軍空母艦載機の陸上空母艦載機着陸訓練(FCLP)の移転候補地として検討を進めてきた鹿児島県馬毛島の土地取得について、山本ともひろ防衛副大臣が12月20日に鹿児島を訪問して地元自治体に説明すると発表した。
 これは、馬毛島の土地取得において一定の合意に達したためで、山本副大臣は鹿児島県知事、鹿児島県議会副議長、西之表市長、西之表市議会議長のもとを訪問し、馬毛島の土地の約63%を取得したことや、今後自衛隊の基地として「馬毛島基地(仮称)」の建設を行なうため、1月中にもそのための調査を再開したいことを説明するという。
 米海軍空母艦載機のFCLP移転の経緯は1982年2月まで遡る。米海軍空母ミッドウェイ艦載機の夜間着陸訓練が厚木基地で行なわれるようになったため、騒音軽減のために代替施設を確保するまで暫定的に東京都・硫黄島を使用するとして1989年1月に米国と合意。以後、1993年度から本格的に硫黄島でのFCLPが行なわれてきた。しかし、硫黄島周辺にエンジントラブルなどの際の代替飛行場が無いことや、硫黄島自体の火山活動により毎年相当な額をかけて滑走路を修復しなければならないといった問題があることから、日米間で代替施設が必要という認識に至り、移転候補地の検討を進めてきた。
 馬毛島にはFCLPに使用する施設のほか、南西地域における防衛体制の充実のために自衛隊施設を整備することとなっている。