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山村浩海幕長、「人・機能・構想・協働」4分野充実に集中
統合運用の強化へ他省庁・民間とも協力関係促進
皆様、新年おめでとうございます。旧年中に賜りました数々の御支援・御協力に対し、海上自衛隊を代表し、深く感謝致します。
さて、国際社会においては、国家間の相互依存関係が一層拡大・深化する一方、パワーバランスの変化が加速化・複雑化し、既存の秩序をめぐる不確実性が増大しております。
特に、我が国周辺には、質・量に優れた軍事力を有する国家が集中し、軍事力の更なる強化や軍事活動の活発化の傾向が顕著となっております。
また、国内においても、令和元年8月の前線に伴う大雨や度重なる台風被害等、頻発する自然災害への対応を通じ海上自衛隊に対する国民の皆さまからの期待は極めて大きなものとなっております。
このような情勢下、厳しさを増す安全保障環境に対応し、我が国の防衛はもとより、「自由で開かれたインド太平洋」を実現するため、海上自衛隊は、「人」、「機能」、「構想」そして「協働」という4つの分野の充実に努力を集中させて
参ります。
第1に取り組むべきことは、組織の根幹たる「人」の充実であり、最優先で取り組むべき課題と考えております。
第2は「機能」の充実であり、ゲームチェンジャーとなり得る装備品の研究開発も念頭に、宇宙、サイバー、電磁波領域の横断的な作戦に資するIW(Information Warfare)機能の強化等を推進して参ります。
第3は、従来とは異なる発想をもって、我が国を「守り抜く」ための「構想」を充実させることです。このため、戦略・作戦・戦術等に係る研究・開発態勢の強化を進めて参ります。
第4は、「協働」の充実であり、米海軍との共同を基軸に、各国海軍種との関係の構築や、他自衛隊との統合運用の強化及び他省庁、民間等との協力関係を促進して参ります。
全隊員が一丸となって、誇りある任務・業務を進めていく所存ですので、本年も皆様からの御支援・御協力を賜ることができれば幸甚です。
最後になりますが、本年が皆様にとって幸多き年になることを祈念し、年頭の御挨拶とさせていただきます。
※写真=海上幕僚長の山村浩海将(提供:海上自衛隊)
※写真=台風19号の災害派遣の様子(写真提供:海上自衛隊)