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2020.01.06

WING

湯浅悟郎陸幕長、強靭な陸上自衛隊の創造に向けて

予想される将来の戦いへ的確に対応

 新年おめでとうございます。皆様におかれましては、輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 さて、我が国を取り巻く安全保障環境は、軍事力の質・量を強化する中国、我が国の安全への脅威である北朝鮮、軍事活動活発化の傾向にあるロシアの動向等、より一層厳しさを増しており、更には、グレーゾーン事態への対応や宇宙・サイバー・電磁波といった新領域での戦い等、将来予期される戦いに的確に対応することが極めて重要になっています。
 このような中、昨年は「30大綱」等策定後の初年度として、奄美・宮古警備隊、機動師団・旅団、方面システム防護隊等の新・改編、訓練等を通じた海空自衛隊との統合の充実並びに日米共同の強化等により、抑止・対処の実効性を向上しました。
 加えて、各国との安全保障協力の推進を通じて「自由で開かれたインド太平洋」実現に寄与し、我が国への信頼獲得に貢献しました。
 また、台風15号等への災害派遣、緊急患者空輸、不発弾処理等により民生の安定に寄与し、10・11月には即位の礼において任務を完遂しました。
 この間、XUH-2の実用性確認試験、V-22オスプレイの要員養成等、新たな航空運用態勢の整備を推進するとともに、飛行停止していたAH-64D及びOH-1を飛行再開し、改めて航空安全への意識を強く持つ年となりました。
 本年は、多次元統合防衛力の構築のため、地対艦ミサイル部隊等の南西地域への部隊配置の推進、第2師団・第5旅団の機動師・旅団への改編、V-22オスプレイ部隊の新編、サイバー・電磁波作戦能力等の強化等の体制整備を着実に進めるとともに、日米共同訓練等により対処の実効性を向上させ、抑止として情報発信する等の戦略的な活動を常続的に実施します。
 加えて、日米同盟の更なる強化、安全保障環境の推進、民生の安定に向けた努力を継続し、「領域横断作戦の要」として、あらゆる事態に対応し、我が国の主権、領土、国民の皆様を守り抜く強靭な陸上自衛隊を創造する所存であります。
 新年にあたり、国民の皆様の負託に応えるため日々の隊務に精励することをお誓いするとともに、本年が幸多い年となることを祈念申し上げご挨拶と致します。

※写真=陸上幕僚長の湯浅悟郎陸将(提供:陸上自衛隊)

※写真=陸自と米国のオスプレイ(提供:陸上自衛隊)