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2020.01.07

WING

航空各社の年末年始、国際・国内とも堅調

9連休で長距離レジャー好調、国内各方面で活況

 本邦航空各社は2019年度年末年始(2019年12月27日~2020年1月5日)利用実績を発表した。9連休という大型連休の影響で、全体としては堅調に推移し、国際線・国内線ともに旅客数が増加した。国際線では、比較的長距離線が好調。全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)の大手2社では、欧州や米国などでレジャー需要が好調だった。ただし、2社ともに国際線の供給を拡大し、需要の増加が追い付かなかったため、利用率としては前年を下回るかたちとなった。一方の国内線は供給拡大による需要の獲得に成功。ともに利用率を伸ばした。国内線は全方面で堅調に推移。帰省やレジャー需要を中心に旅客が増加した。
 大手2社の実績から、欧米路線は堅調に推移した。供給を大幅に伸ばしたにもかかわらず、需要の獲得に成功し、8割台の利用率で比較的高い水準となった。注目なのは、ANAがA380を投入したハワイ線。ANAでは旅客数が48.8%増で、利用率が91.4%と好調に推移。一方でJALは供給を絞った影響もあって、旅客数を約2割落とした。利用率については、86.5%と比較的高い水準を維持した。中国路線では、旅客数がいずれも前年を下回り、懸念された香港のデモが少なからず影響が見られたようだ。また、JALでは韓国線旅客を大幅に伸ばした。国際間情勢の悪化によって航空需要が落ち込む中で健闘した。
 LCCは、バニラエアがピーチ・アビエーション(APJ)へ合併して、各社間のバランスが大きくかわった。国際線の旅客数はおおむね伸びたものの、利用率は各社ポイントダウンとなった。ピーチでは国際線の供給を4割以上、国内線で3割近くも伸ばした。国際線の利用率はダウンしたが、国内線は需要を伸ばした。ジェットスター・ジャパン(JJP)は、国際線の供給を落として国内線を増加。国内線の旅客は前年比増となったが、利用率はダウンした。SPRING JAPANは国際中国路線を大幅に拡大し、旅客も獲得したが、利用率はダウン。一方で、国内線が好調だった。
 中堅航空会社の実績は、旅客の増加によっておおむね好調だった。特にスカイマーク(SKY)が定期便化した国際サイパン線は、初の冬季繁忙期を迎え利用率が73%となった。今後さらに需要を獲得していきたいところだ。

 

■ANA年末年始、国際線利用率3.2ポ減の83%
 国内線は2ポ増の82.3%、際内共に旅客数約8%増に

 

 全日本空輸(ANA)が発表した年末年始期間(12月27日~1月5日)の利用実績は、国際線の利用率が前年同期と比べて3.2ポイント減の83%で、・・・

 

■JAL年末年始、9連休で好調も国際線利用率1.5ポ減
 欧米の長距離線で旅客1割超の伸び、韓国線健闘

 

 日本航空(JAL)が発表した2019年度年末年始(2019年12月27日~2020年1月5日)の利用実績によると、国際線の利用率は前年同期比1.5ポイントダウンした89%だった。・・・

 

国内線利用率1.5ポ増、全方面で旅客増加
関西の利用率9割超え、北海道や東北など8割台