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2020.01.09

WING

防衛省、統合気象システムの器材撤去で不備

年度超え作業、342ヵ所中105ヵ所で不適切な手続き

 防衛省はこのほど、自衛隊などが運用している統合気象システム・JWS-IIについて、借上器材の撤去作業で不適切な手続があったとして、同作業の調査結果および再発防止策を発表した。この不適切な手続は、旧器材の撤去作業が期間を超えて行われたものの、正式な手続を踏まずに対象の作業へ代金の支払いが行われたというもの。この作業は、陸・海・空・統幕など各自衛隊で合計342ヵ所実施したが、調査の結果105ヵ所で不適切な手続が認められた。さらにほかの情報システムでも、同様の手続が2014(平成26)年度以降17件あったことが分かった。同省では、作業期間の精査や契約内容の見直しなどを図って、再発防止に努めるとした。
 この不適切な手続きは、防衛省と事業者が2018(平成30)年度末までに旧器材の撤去を行う契約を交わしたものの、一部の撤去が期間内に完了しなかったため、報告では作業完了とした上で、実際には年度を超えて作業が行われた。調査では、関係者間で端末などの電源を落とし、ほかのシステムとの回線を断つことで“撤去”とする独自の解釈を認識。そのため、年度内に撤去作業を完了したという報告が行われたとして、不適切な手続きの原因を示した。
 この撤去作業の契約は、年度内に執行しなければいけないことは共通認識となっていたものの、旧器材の借上期間満了が2月末で、3月中に撤去を完了するという、そもそも無理な期間設定が背景にあった。この不適切な手続の内訳は、陸上自衛隊では全61ヵ所中17ヵ所で不適切な手続きが認められ、海上自衛隊では73ヵ所中24ヵ所、航空自衛隊では206ヵ所中63ヵ所、統合幕僚監部などでは2ヵ所中1ヵ所で同様の手続きを確認した。