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JAC、ATR72-600型機を日本初導入へ
年内引き渡し、鹿児島3路線に投入を計画
日本エアコミューター(JAC)とATRは6月5日、JACが発注済みのATR42-600のうち1機を、より機体サイズが大きいATR72-600に変更することを発表した。ATR72-600型機が、日本国内に導入されることは初めてのこと。ATRによれば、今回変更されたATR72-600は今年12月末までにJACに納入する。JACとATRはこれまで9機のATR42-600を確定発注する契約を締結しており、JACは現在、4機を運航中だ。ちなみにJACによると、導入が決まったATR72-600型機の座席数は70席を予定している。
JACは現在保有しているQ400型機とSAAB340Bを2019年度中に全機退役し、全機をATRにフリートを統一する。そうしたなかATR72-600型機については、Q400型機で運航している鹿児島-屋久島、鹿児島-沖永良部、そして鹿児島-与論線への投入を予定しているとのこと。とくに鹿児島-屋久島線は現在8往復していて、その全てをATR72-600型機で運航することはできないことから、一部をATR72-600型機で運航することになる様相だ。
JACの加藤洋樹社長は、「ATR42-600は、当社の運航環境に非常に適した機材で、快適性においてもお客様の評判も良く、同機を導入した結果に大変満足している」との認識を示しながら、「現在発注している機体のうちの1機をATR72-600へ発注変更することで、両モデルの共通性を活かしながら、一座席あたりの運航コストを削減することが可能となり、特に観光やビジネスのお客様の多い路線においてより効率的な運用が実現できる」とコメント。座席数を拡大することで、「就航地域社会に貢献できると確信している。今回のATR72-600の導入にあたっては、政府および自治体関係者のご理解による多大なる支援をいただき心より感謝申し上げる」としている。
一方、ATR72-600型機を日本市場に送り込むことに成功したクリスチャン・シェーラーCEOは、「日本にATR72-600が導入されることとなったが、これはATR機ファミリーが低コストで新たなビジネスチャンスを創出・拡大するのに適した機体であることを示すもの」とコメント。「JACへのATR 42-600初号機の導入から1年以上経ち、運航の多様性およびコスト効率の高さといったメリットを実感していただけていると思う。JACは素晴らしい旅行体験を乗客の皆様に提供するお手本であり続けると同時に、日本における地域航空の需要の高まりに応えてくれるだろう」としている。
※写真=JACのATR42-600型機。JACはより大型のATR72-600型機を日本初導入することを決めた