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2020.01.17

WING

NICT、タイの大学構内にプラズマバブル観測レーダ設置

航空機にも脅威、通信障害や測位誤差生むプラズマバブル

 情報通信研究機構(NICT)は、タイのチュンポンにあるモンクット王ラカバン工科大学と共同で、電波障害の原因となるプラズマバブルを観測するためのレーダを、同大学のキャンパスに設置したことを発表した。1月17日から運用をスタートする。NICTは、このレーダを設置・運用することで、プラズマバブルの定常的な観測が可能となり、人工衛星を利用した高精度測位の農業や建築分野などへの利用拡大に向けた大きな進歩となることが期待されるという。
 プラズマバブルは、赤道域や低緯度の電離圏で局所的に電離圏の大気密度が低くなる領域。赤道域や低緯度に限らず、太陽活動活溌化したり、あるいは磁気嵐が発生した時にプラズマバブルが成長し、中緯度に位置する日本などでも測位誤差を起こすことがある。
 プラズマバブル内部や周辺では電子密度の変化が大きいことから、プラズマバブル付近を通過する衛星電波は乱され、衛星通信障害やGPS測位精度が低下する要因ともなる。そのため航空機の運用にも影響を及ぼすことが懸念されている。・・・

 

※写真=NICTがタイに設置したプラズマバブル観測用のレーダ(提供:NICT)

※画像=磁気赤道に近いチュンポンに観測レーダを設置することで、プラズマバブルの影響と対策を調査する(提供:NICT)

※画像=観測のイメージ(提供:NICT)