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ボーイング、通期で6億3600万ドルの赤字に転落
MAX問題に揺れるボーイング、試練の時に
ボーイングが1月29日(米国シカゴ現地時間)に発表した2019年決算によれば、その最終損益は6億3600万ドル(約693億円)の赤字となった。売上高は765億5900万ドルと、前年の1011億2700万ドルから24%縮小。営業損益は2018年の119億8700万ドルから、一気に19億7500万ドルの損失計上に転落し、営業損失率は2.6%(前年:営業利益率11.9%)になるなど、未だ解決することをみない737MAX問題が、ボーイングの業績に深く暗い影を落とすかたちとなった。
ボーイングが苦境に陥ったなか、ボーイングの体制引き締めを図るべく。1月13日に社長兼最高経営責任者(CEO)に就任したばかりのデイビット・カルフーンCEOにとって、就任後初めての決算となった。そのなかでカルフーンCEOは2件の737MAXで犠牲となった人々およびその家族などに向けてあらためて哀悼の意を表明。その上で、「ボーイングにとって非常にチャレンジングな時だ。我々には取り組まなければならないことが多々あると認識している」とコメント。さらに、「我々は737MAXの安全な飛行再開とボーイングブランドの信頼回復に努めることに焦点を当てる」と話した。カルフーンCEOが半月ほど前に就任した際、ボーイングの従業員に向けて発した言葉のなかでも、737MAXの安全な飛行再開とブランドの信頼回復に努めることなどを掲げており、あらためてこうした課題の解決を図っていくことに注力する考えを示したかたちだ。・・・
民間機部門、営業損失66億5700万ドル
737MAX問題絡むコストが大幅拡大
防衛宇宙・セキュリティ部門、通期は営業利益57%増
第4四半期に失速、取引減少やスタライナーなど影響
堅調なグローバルサービス、営業利益は6%拡大
第4四半期、アビオールブランド廃止影響などで減速
※写真=737MAX問題に揺れるボーイング。2019年の決算は約693億円の赤字に転落。737MAXは2020年半ばに運航再開を予定しており、航空会社に対する補償、生産ラインの再開などコストはさらに膨らむ見通しだ