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2020.02.03

WING

JAL第3四半期、純利益が28.4%減の763億円に

国際線事業、「国際線旅客・貨物需要の伸び力強さ欠く」

 日本航空(JAL)が1月31日に発表した2019年度第3四半期(2019年4-12月)業績によると、期間中の純利益は対前年比28.4%減少した763億円に落ち込んだ。グループ連結売上高は前年並み(1億円減)に踏み止まったものの、米中貿易紛争のほか、香港デモ、日韓関係の悪化などといった外的要因が顕在化。とくに国際線旅客事業・貨物事業が大きな影響を受け、業績は伸び悩むかたちとなった。
 なお、期間中の営業利益は前年比12.7%減少した1269億円(償却内容変更後:1201億円〔17.4%減〕)、経常利益は12.1%減少した1218億円だった。
 国土交通省で会見に臨んだJALの菊山英樹取締役専務執行役員は、「堅調な国内旅行需要を摘み取ることができたが、一方で世界経済の状況が不透明ななかで国際線旅客・貨物需要の伸びは力強さを欠いた。あるいは台風の影響が続いた」と、第3四半期までの業績を振り返りつつ、「第2四半期以降、中国系キャリアの供給拡大によって需給バランスが大きく崩れている。こうした要素のなかで、収入の伸びが思うようにいかなかった」と話した。
 その上で、「営業収益は前年比マイナス1億円と、ほぼイーブン」に推移したことに言及。「供給量(ASK)を約1.5ポイント拡大しているにも拘わらず、このような状況にあるということは、とくに国際線事業の収入トップラインのところの伸びの鈍さに起因している」と分析した。
 また、営業費用は2.6%増加した1兆107億円と費用が膨らんだことについて、「来年度発着枠の拡大に備えた機材、人員などの先行的な手当に属するものが、かなりを占めている」とし、「それ以外のところ(費用増)は、供給の拡大に見合った費用増との見解を示した。

 

国際線旅客収入、2.8%減の3921億円
貿易紛争や香港デモ、日韓関係悪化など起因

 

 

国内線旅客収入、2.7%増の4154億円
レベニューマネジメント効果も顕著に

 

通期予想を下方修正、営業収益300億円減など
新型コロナウィウルス影響は現段階で盛り込まず

 

〔国際線旅客事業〕
・有償旅客数=676万9000人(-1.5%)
・ASK=第3四半期累計:417億8100万座席キロ(+1.4%)
・RPK=第3四半期累計:338億3000万人キロ(+0.4%)
・有償座席利用率=81%(+0.8ポ)
・単価=5万7931円(-1.3%)
・イールド=11.6円(-3.2%)
・ユニットレベニュー=9.4円(-4.1%)

 

〔国内線旅客事業〕
・有償旅客数=2712万4000人(+2.6%)
・ASK=2760600万座席キロ(+1.6%)
・RPK=2044400万人キロ(+3.2%)
・有償座席利用率=74.1%(+1.2ポ)
・イールド=20.3円(-0.5%)
・ユニットレベニュー=15円(+1.1%)

 

※写真=第3四半期決算会見に臨むJALの菊山取締役