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2020.02.13

WING

陸型イージス新屋配備、自民党秋田県連「無理がある」

住宅地距離の重視、真のゼロベース調査要求

 イージス・アショアの秋田県・新屋演習場設置を巡る問題で、自由民主党秋田県支部連合会は2月12日、河野太郎防衛大臣へ要望書を提出した。自民党秋田県連の金田勝年会長は、当初計画の場所が住宅地や学校に近く、住民感情を踏まえれば「配備は無理があるといわざるを得ない」と述べて、ゼロベースでの調査と、地元への十分な配慮を求めた。要望を聞いた河野大臣は「本当の意味でのゼロベースで検討するということに何ら変わりない」と話すと、住宅地や学校からの距離を選考の重要な要素に置くとして、要望を受け入れるかたちで再調査する姿勢を強調した。
 自民党秋田県連の要望は大きく3点。1点目が新屋ありきでなくゼロベースで調査を進めること。2点目が配備決定には住宅地や学校からの距離を重要な考慮要素として安全・安心に努めること。3点目が配備決定地域には地元理解を得た上で安全面に配慮することだ。要望書には、当初の新屋配備の際に、防衛省でずさんな調査が行われたことを指摘。それ以来、県民からの批判が高まったことで大きな問題となったこと、さらには住宅地や学校と近接していた状況から、当初の配備計画には“無理がある”と指摘した。
 河野大臣は、現在行っている再調査については、新屋ありきでない、本当の意味でのゼロベースだと強調した。計画では2019年度末ごろに調査結果が示される予定だ。さらに住宅地などからの距離を重視するとして、当初よりも基準を強めて検討する姿勢を示す。また、配備には地元の理解や支援が重要であるため「県連からの要望を重く受け止めて、しっかりと検討していきたい」と述べた。

 

※写真=河野太郎防衛大臣へ要望書を手渡す自民党秋田県連