記事検索はこちらで→
2020.02.13

WING

アストロスケール、JAXA商業デブリ除去実証第1段階に選定

今年打上予定のELSA-d知見を活用へ

 アストロスケールは2月12日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がスペースデブリ対策の事業化を目指し実施する世界初の大型デブリ除去を目指すプロジェクト(商業デブリ除去実証:CRD2〔Commercial Removal of Debris Demonstration〕)のフェーズIの契約相手方として選定されたことを発表した。
 CRD2プロジェクトは、軌道上にある日本基幹ロケットであるH-IIA/Bの第二段部分を対象に、2段階で「世界初の大型デブリ除去」の実証実現を目指すもの。昨年10月に公告されたフェーズIにおける技術提案要請(RFP)に基づき、2022年度までのキー技術実証を目指し、アストロスケールが提案書の提出を行い、契約相手方として選定された。
 ちなみにJAXAはフェーズIとして、事業者による衛星製造・打上・近傍制御を含む運用の実施・軌道上デブリの運動観測データの取得・納入を行うことになっている。2025年度以降にはフェーズIIの打ち上げを計画しており、このフェーズIIではデブリへの接近、近傍制御、撮像、除去、リエントリの実施などを予定している。
 アストロスケールでは、2013年の創業以来、世界に先駆けデブリの低減・除去策として、軌道上サービスの実現を目指し、今後打ち上がる人工衛星が寿命を迎えたり恒久故障の際に除去を行う、宇宙機の除去(EOLサービス)や、既存デブリ除去(ADRサービス)の技術開発を進めてきた。2020年には、デブリ除去の為の実証実験衛星「ELSA-d(エルサディー)」の打上げを予定しており、設計・開発から運用までに培われる知見を、CRD2プロジェクトでも活用する方針だ。・・・

 

※写真=アストロスケールがJAXAの商業デブリ除去実証フェーズIの契約相手に選定。写真は今年打上予定の実証実験衛星「ELSA-d」(提供:アストロスケール)