WING
川崎重工業、新社長に橋本康彦氏
初のロボット出身社長に、スピード重視の経営を
川崎重工業は2月13日の取締役会で、橋本康彦氏が次期代表取締役社長に内定したことを決議した。橋本氏は現在、取締役常務執行役員精密機械・ロボットカンパニープレジデント、自動化推進担当。4月1日付で代表取締役副社長に昇格し、6月下旬の定時株主総会およびその後の取締役会を経て正式に就任する。精密機械・ロボットカンパニー出身で同社の社長に就任するのは、橋本氏が初めて。一方、金花芳則社長は6月下旬、代表取締役会長として様々な対外活動に従事する。
橋本氏はこれまで、川崎重工業の成長事業であるロボット事業を牽引し、航空宇宙システムカンパニーの生産ライン自動化などで係わりを持つ。ロボット分野を成長事業へと押し上げた立役者の橋本氏だが、その新体制の船出は決して順風なものではなく、米中貿易紛争による世界経済の停滞や新型コロナウィルスの感染拡大など、新体制を取り巻く環境はむしろ逆風だ。さらに川崎重工業の2020年3月期通期決算は、当期純利益で前年比8.9%の減益見通しにある。
橋本氏は「外部環境で落ちている時に次のアクションを準備することで全体として事業として安定を図る。自分たちで超えていく自覚を全体のなかに広めていきたい」と話す。「危機感を共有していけば前に進むことができる」とコメントした。
そうしたなか橋本氏は「仕事の心情はスピード感」であることに触れ、「スピードが利益を生むという信条でやってきた」と話し、「スピード感ということが全社的に広がるだけでも、かなり変わる」との認識を示した。「事業サイクルが短いもののみならず、事業サイクルの長い事業についても、瞬時の判断が必要。スピード感をもって対応していきたい」として、川崎重工業が掲げている”カワる、サキへ”の言葉どおり、時代の変化に柔軟かつスピーディーに対応することができる、俊敏な会社を目指す方針を示した。・・・・・・・・・・・・・