記事検索はこちらで→
2020.02.20

ウイングトラベル

観光庁田端長官、新型コロナ感染拡大防止に全力

早期に回復期に移行できるよう業界と連携強化

 観光庁の田端浩長官は2月19日に行われた業界紙会見で、新型コロナウイルスにに関する観光分野での取り組みについて「まずは、感染拡大防止に向けて必要な対策を講じていき、できるだけ早い段階で回復期に移行できるようにしていきたい」と述べた上で「回復期に旅行需要がいち早く上向くよう観光関連業界と連携を図りながら準備や仕込みを行っていく」という考えを示した。また、新型コロナウイルス関連で旅行への自粛や大規模イベントの開催の是非について懸念する動きが出始めていることについて触れ「専門家の意見を聞き防止策を講じるなど、正確かつ冷静に対応して旅行やイベントを行ってもらいたい」と語った。

 

 旅行や大規模イベント「正確かつ冷静な対応を」
 訪日プロモ「各市場の動向を見据えながら展開」

 田端長官は、新型コロナウイルスに関連して日本人による旅行自粛ムードが出てきていることや、感染拡大を懸念し、多くの人が集まる大規模イベントの開催の是非について心配する声が出始めていることに関する質問に対して田端長官は「この部分については国民やイベント関係者への伝え方が重要となってくる。厚生労働省とも連携を取りながら、正確かつ冷静な対応ができるよう情報発信をできればと考えている」と述べた。

 

 1月日本人出国者4.9%減と前年割れスタート

 一方、昨年2000万人の大台を初めて突破した日本人出国者数は前年比4.9%減の138万800人となり、前年割れからのスタートとなった。これについて田端長官は「1月の数値なので新型コロナウイルスの影響が出ているかどうかは判断しづらい」とした。

 

 新型コロナで全世界で中国人旅客が減少基調
 諸外国との交流促進でマイナス分の相互補完を

 新型コロナウイルスに関連して中国からの旅行が制限されており、この動きが日本のみならず世界に影響が見られてきている。
 この状況を踏まえ田端長官は「観光における中国のウエートが大きくなる中で、日本だけでなく、各国でインバウンド・アウトバウンドともに影響が出ているはずだ。そうした中で日本と海外各国でより双方向交流を深めて、中国マーケットからの減少分をお互いで補うことができれば、それぞれの国々の観光産業界における落ち込みを抑制することができるのではないか」と持論を展開。中国市場の現状を踏まえて代替旅行先として相互送客を実現し、市場の落ち込みをカバーしていくことができるような交流促進に力を入れていく必要があるという考えを示した。
 

 

※写真=業界紙との記者会見に応じる観光庁の田端浩長官