エアバス、7月1日からCシリーズを製品群に統合へ

Cシリーズ販売会社CSALPの過半数株式取得

　エアバスは6月8日（アムステルダム/モントリオール時間）、ボンバルディアが開発したCシリーズ販売会社である「C Series Aircraft Limited Partnership」（CSALP）を、7月1日以降にグループ傘下に収めることを発表した。規制に対する全ての承認をクリアしたとのことだ。エアバスという強大なバックアップを手にすることで販売に苦戦していたCシリーズは、市場における巻き返しを図る。一方、エアバスにとっては一部市場が重なるところはあるものの、既存の製品ラインナップ群のなかにおいて、最も小型のA318に”neo”シリーズがないことから、Cシリーズを製品ラインナップに加えることのメリットは大きい。なお、エアバスは米国アラバマ州に建設したA320ファミリーの最終組立ラインに隣接するかたちで、Cシリーズの第二ラインも設置することを決めた。
　ボンバルディアが社運をかけて開発したCシリーズは、エアバス、ボーイングの単通路機ファミリーと市場が一部重なるため、その販売に苦戦。ボンバルディアの経営状態が悪化するなどの危機的な状況にも陥ったが、その立て直しに協力すべく、カナダのケベック州政府がCシリーズ・プログラムに10億ドルを出資することを決めた。これにより有限責任組合のCSALPが2016年に発足していた。
　その後、エアバス、ボンバルディア、ケベック投資公社の3者がエアバスによるCSALP出資を協議。ただ、一度目の協議では、エアバスがA350XWBやA320neoの開発など、多額の投資を行っていたこともあって物別れに。その後、あらためてエアバスによる出資話しが持ち上がり、正式に合意に至っていた。

※写真＝エアバスがCシリーズを製品ラインナップに。エアバスという強力なパートナーを得ることで販売の苦戦が続いていたCシリーズが巻き返しを図る