ウイングトラベル
成田2月出国17.8%減、中国出国7割近い減に
田村NAA社長「全方面的に懸念」流行拡大に警戒
成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は2月27日の定例会見で、直近2月の成田空港の利用状況を説明した。2月1日〜22日の出国旅客数は、国際線全体で前年同月比17.8%減の83万2800人、中国線に限れば66.5%減の4万2400人となった。発着回数は全体で5.7%減の1万243回で、うち中国線が23.1%減の1179回だった。これまで順調に利用実績を伸ばしてきた成田空港は、1月末ごろから拡大する新型コロナウイルスの影響で減速。感染は世界的に広がっているため、今後は中国線のみならず「全方面的に懸念される」状況だとして警戒感を示した。
中国線の発着回数の大幅な減少は、当初の計画と比べると、およそ半分以下になるという。これが会見当日までになると「3割いくかどうか」というレベルになる状況だ。しかしこの減少は「すべてがコロナウイルスの影響ではない」という。もう一つの減少要因は「春節のずれ」で、2019年には2月だった春節が、2020年に1月となったため、2月の中国線にとって減少要因になった。
一方の1月の利用状況を見ると、出国旅客数は国際線全体で前年同月比6%増の135万5000人で、中国線が32.4%増の20万8000人。発着数は全体が6.4%増の1万6115回で、中国線が44.3%増の3108回だった。成田空港では、中国線の制限緩和に伴って発着数を伸ばしてきただけに、中国線を中心とした減便影響は大きい。
また中国線旅客の減少は、構内営業売上にも顕著にあらわれた。1月の構内営業売上は元安の影響があったものの前年同月比7%増となった。しかし2月速報値(1〜22日)では36%減と前年割れに転じた。
1月利用、コロナ影響も国際旅客1月初300万人超
中国新規・増便などで好調、国内線は堅調に推移
※写真=会見に応じるNAAの田村社長