WING
JAXA、有人探査機向け月面推薬生成プラント構築を計画
2035年運用開始、年57.6トンの推薬生成目指す
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、月面で抽出した酸素と水素を有人月面探査機などの推薬として利用すべく、月面の推薬生成プラントの構築を計画していることが分かった。JAXAは同プラント構築のため、ガスの液化や保存などといった様々な技術課題解決に向けた情報提供要請(RFI)を発出した。JAXAが計画する月面推薬生成プラントは2030年~2034年の5年間をかけて構築し、2035年から2044年の10年間の運用を想定。水氷資源の存在が有力視されている月南極域における永久陰近傍の高日照領域に構築することを目指す方針だ。JAXAは年間75トンの水と、推薬として年間57.6トンを生成することができることをプラント仕様に盛り込む。
月面における水資源の存在可能性が大きくなるなか、世界各国がこの水資源の利用に着目。日本はJAXAを中心に月の水資源を利用した持続的な宇宙探査を実現することを検討中だ。
そこでJAXAとしても、月の水資源を利用した推薬生成プラントを構築して、将来の有人月面探査における有人月離着陸機、有人月曝露ホッパーで消費する推薬を生成・保存・供給することを目標に据える。
推薬生成プラントを月面に建設することで、月・現地に埋蔵されているであろう資源を利用することにより、地球からの月に送り込む物資補給量を削減することが可能になり、宇宙開発の大幅なコスト削減と効率化などを期待することができる。・・・
※画像=JAXAは月面上に推薬生成プラントを構築することを目指す。プラントを構築することで月探査や深宇宙探査の効率化・低コスト化に繋がることが期待される(提供:JAXA)