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IATA、航空当局にU/Lルールの一時停止要請
混雑空港スロットルールを一時停止で協力呼びかけ
国際航空運送協会(IATA)は3月2日(ジュネーブ現地時間)、各国の航空当局に対して、混雑空港の発着枠の有効活用のための国際的な空港発着調整ルールで定められているU/Lルール(Use it or Lose it rule)を、直ちに一時的に停止することを要請した。これは新型コロナウイルス「COVID-19」の感染拡大が世界各地へと拡がるなか、航空需要減退や渡航・入国制限措置が相次ぎ、航空会社は運休・減便などの対応を続々と講じているため。
U/Lルールは、IATAの「ワールドワイド・スロット・ガイダンス」に基づくもの。混雑空港における発着枠の有効活用のため、航空会社が配分を受けた発着枠の使用率が80%を切る場合、翌年の同時期同時間帯における発着枠の優先配分権利(ヒストリック)を得ることができなくなる。ただし、航空会社の不可抗力によって、欠航したことなどによって発着枠が使用されなかった場合は、除外することができるような仕組みになっている。
IATAは今回、各国の規制当局に対してこの除外措置を講じることを求めたもので、「COVID-19」は航空交通網に深刻な打撃を与えていることに言及。世界各地の航空会社で運航便、予約に多大な影響が生じているとしているほか、予約も低調であることから、将来的には乗員に無給休暇、あるいは賃上げの凍結、さらなる欠航・運休の拡大を強いられる可能性があることも指摘した。・・・
ジュニアックCEO、世界の航空交通網に影響波及
航空会社は挑戦の最前線に、当局協力が不可欠
※写真=IATAが各国の航空当局に向けてU/Lルールの一時的な停止を呼びかけ。新型コロナウイルスの感染拡大による需要減退などを受けて航空会社は路線網ネットワークを縮小している